2001 Fiscal Year Annual Research Report
加齢または閉経後に生じる顎骨粗鬆化と咀嚼動態の関連に関する形態学・機能学複合研究
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12307046
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
河野 正司 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50014098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 豊彦 新潟大学, 工学部, 教授 (40126446)
江尻 貞一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40160361)
小澤 英浩 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 所長 (60018413)
池田 圭介 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30313521)
小林 博 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00225533)
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Keywords | 閉経後骨粗鬆症 / 顎骨 / 卵巣摘出サル / エストロゲン欠乏 / メカニカルストレス / 咀嚼 |
Research Abstract |
1.サルの実験を行う前に予備実験として行った卵巣摘出ラットの実験について、下記の結果を得た。 (1)エストロゲン欠乏によりラット臼歯部の根分岐部直下の歯槽骨骨量が減少することを証明した。また、この背景では、骨形成活性とともに骨吸収系活性も著明に亢進する高い骨代謝回転が導かれていることも明らかとした。また、固有歯槽骨も非薄化しており、この現象は歯の喪失といった観点からも注目すべき所見であり、エストロゲン欠乏と歯の喪失の関連性について組織学的に証明することができた。 (2)歯槽骨に対する咬合によるメカニカルストレスの影響に着目し、対合歯を抜歯した場合の歯槽骨の変化とそれに及ぼすエストロゲン欠乏の影響について検討した。その結果、メカニカルストレスの低下により歯は歯槽骨ともに挺出するが、一方で内部の歯槽骨骨量は減少することが明らかとなった。また、エストロゲンが欠乏した状態では、骨量減少が促進され、骨構造の脆弱化が生じることが明らかとなった。 2.上記の結果について論文を発表した。 3.卵巣摘出サルの実験では、全個体の試料作成が終了した。pQCTによる下顎骨および橈骨の骨密度測定およびマイクロCTによる.微細骨梁構造の解析を行っている。サルにおいてはラットでは認められなかった個体差が大きく、データ解析上間題となっている。これを補正しながらデータを評価する方法を検討中である。 4.最終目標である、ヒト顎骨の骨密度を測定するための頭部固定装置を開発し、試用段階に入った。現時点で測定は可能となったが、撮影する断面により顎骨中に植立している歯根が骨密度値に大きな影響を及ぼすことが判明し、解析段階で歯根の情報を省く方法を検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] っっっd: "Effects of ovariectomy on trabecular structures of rat alveolar bone"Journal of Periodontal Research. (印刷中). (2001)
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[Publications] 豊岡 英一: "対合歯喪失後のラット歯槽骨の変化とエストロゲン欠乏の影響-マイクロフォーカスX線CTを用いた検索-"日本骨形態計測学会雑誌. 11.2. 53-61 (2001)
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[Publications] 伊東 昌子: "シンクロトロンX線CTを用いた骨質評価の可能性の検討"日本骨代謝学会雑誌. 19.2. 17 (2001)
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[Publications] 浅輪 幸世: "卵巣摘出ラットにおけるメナテトレノン(MK-4)投与時の組織学的検討"日本骨代謝学会雑誌. 19.2. 34 (2001)
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[Publications] 江尻貞一: "皮質骨、海面骨 「骨粗鬆症ナビゲーター」 中村利孝 編 (分担p20-23)"メディカルレビュー社. 267 (2001)