2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12308017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古田 一雄 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50199436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松橋 隆治 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (80229517)
吉村 忍 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90201053)
大和 裕幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50220421)
中田 圭一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30323439)
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Keywords | 環境問題 / 社会的合意形成 / 合意形成モデル / ネットワーク会議システム / 交通量シミュレーション / 応用一般均衡モデル / 京都メカニズム |
Research Abstract |
本研究ではネットワーク上に構築した共同環境を介して非対面・非同時の状況で関係者が合理的な討論を行ない、主として環境に関する問題について効率的に杜会的合意形成を支援するシステムの開発を目指している。本年度は各要素技術を確立し、来年度のシステム統合へ向け以下のことを行なった。 1)集団合意形成モデルの開発:会議の発言録を発言スキーマに基づいてプロトコル分析しスキーマ断片からボトムアップに会議の協議空間を再構成する分析手法を提案した。本手法を3つの事例に適用し参加者の立場や議論の進行過程を協議空間上で明確化することが合意形成過程の把握に有効であることを示した。さらに、異なる事例に共通的に現れるパターンより合意形成過程のモデルを提案した。 2)視覚的会議インタフェースの開発:論点の組み合わせからなる意見空間上で立場を表明しながら議論を進めていくネットワーク会議システムを提案し検証した。本手法と既存の会議形式を小規模な実験で比較し、本手法が参加者相互の立場の理解を促進できることが確認できた。 3)交通流シミュレータの開発:車などを知的エージェントとしてモデル化したマルチエージェントのフレームワークに基づく交通シミュレータを開発した。また、仮想道路環境としてネットワーク構造、道路の微視的な構造を含む環境を作成した。そして、交通流の形成、渋滞の形成などのマクロな現象が発生するのを観測することによって、マルチエージェントモデルの有効性を確認できた。 4)エネルギーシステムモデルの開発:京都議定書の発効を視野に、炭素税などの経済方策や、排出権取引などの京都メカニズムの有効性を検証するための応用一般均衡モデルを開発し、日本経済への影響の小さい炭素税課税法を提案した。併せて交通・民生におけるGHG削減策を評価した。またGHG(温室効果ガス)を効率よく削減しつつ日本経済を活性化するため、京都メカニズムの一つである途上国への技術移転制度、CDMを証券化する基礎研究を行なった。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 古田一雄: "社会的合意形成のモデルと支援環境"ヒューマンインタフェースシンポジウム2001論文集. 565-568 (2001)
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[Publications] 川口晃, 中田圭一, 古田一雄: "立場表明のための視覚的インターネットフェースを用いた電子会議システムの開発"ヒューマンインタフェースシンポジウム2001論文集. 287-290 (2001)
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[Publications] 前原基芳, 高島亮介, 中田圭一, 古田一雄: "発言録からの話題抽出と発言者同士の関係の推定"ヒューマンインタフェースシンポジウム2001論文集. 589-592 (2001)
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[Publications] Keiichi Nakata: "Enabling Public Discourse"JSAI200l-Synsophy International Workshop on Social Intelligence Design. 47-54 (2001)
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[Publications] 守安智, 吉村忍: "マルチエージェント型交通量シミュレータ"第50回理論応用力学講演会論文集. 383-384 (2001)
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[Publications] 西川絋史, 守安智, 吉村忍: "マルチエージェント型交通量シミュレータにおける追い越し挙動"第20回シミュレーション・テクノロジー・コンファレンス. 287-290 (2001)
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[Publications] 守安智, 吉村忍, 西川絋史: "交通量シミュレータにおける経路探索の最適化"日本機械学会14回計算力学講演会講演論文集. 1-10. 321-322 (2001)
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[Publications] 西川絋史, 吉村忍, 三村泰成: "ネットワーク環境におけるマルチエージェント交通量シミュレーション"日本機械学会14回計算力学講演会講演論文集. 1-10. 363-364 (2001)
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[Publications] 松橋隆治, 石谷久: "設備製造を考慮した太陽光発電システムの普及戦略に関する研究"電気学会論文誌. 121巻・B7号. 899-906 (2001)
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[Publications] Y.Kudoh, H.Ishitani, R.Matsuhashi, et al.: "Environmental Evaluation of Introducing Electric Vehicles Using a Dynamic Traffic-flow Model"Applied Energy. Vol.69. 145-159 (2001)
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[Publications] 松橋隆治, 藤澤星, 桃林豊: "CDM活性化のためのCDM証券化に関する考察"Working paper, Realization of Environment Friendly Society, CREST, JST. No.58. 1-10 (2001)