2001 Fiscal Year Annual Research Report
生体組織・細胞の機能的適応制御と再構築のマイクロバイオメカニクスと統合的解析
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12308047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 紘三郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90026196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 和則 北海道大学, 医学研究科, 教授 (20166507)
宮崎 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (00263228)
田中 正夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40163571)
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Keywords | 生体組織 / 細胞 / 機能的適応制御 / 再構築 / 静脈壁 / 膝蓋腱 / 骨 / コラーゲン繊維 |
Research Abstract |
1.静脈壁の力学的特性と血圧上昇が及ぼす影響 家兎大静脈,頸静脈,大腿静脈壁の力学的特性を詳細に調べたところ,部位によって力学的特性と平滑筋細胞の収縮能が大きく異なることがわかった。また,家兎大腿静脈の血圧を上昇させて飼育し,静脈壁の反応を調べたところ,壁の円周方向応力と力学的特性が正常レベルに維持されること,血圧上昇が平滑筋細胞の活性化を引き起こすことなどがわかった。 2.腱・靭帯治癒組織の回復に及ぼす負荷の影響 家兎膝蓋腱中央部に作成した欠損部に形成される治癒再生組織の力学的特性は,期間の経過とともに向上するが,治癒の途中で過負荷状態にすると治癒再生組織と残存膝蓋腱組織の強度が一時的に大きく低下することがわかった。 3.負荷変化が骨の強度と形態に及ぼす影響 ラットの左下肢を胴体に固定して大腿骨に作用する負荷を減少させて飼育した後に,通常状態に戻して15週間後までの大腿骨骨幹部の力学的特性と大体骨頸部の形態の変化を調べたところ,骨幹部の破断荷重は固定開始後に低下し,固定解除後も小さいままであること,骨幹部の硬さおよび大腿骨頸部の皮質骨面と海綿骨面積は固定開始後に小さくなり,固定解除後も小さいまま推移するが,最終的には正常レベルに近づくことがわかった。 4.膝蓋腱の除荷がコラーゲン線維の力学的特性に及ぼす影響 除荷操作を施した家免膝蓋腱から直径1μm以下のコラーゲン線維を摘出して引張試験を行ったところ,線維の引張強度と破断ひずみは除荷操作後徐々に低下するが,3週後に回復することがわかった。 5繰り返しひずみの大きさがマクロファージの泡沫化に及ぼす影響 5%と10%の振幅の繰り返しひずみを作用させながらマクロファージを培養して,ひずみの大きさが泡沫化に及ぼす影響を調べたところ,いずれもマクロファージの泡沫化を促進させるが,5%と10%の振幅の違いは泡沫化の程度に影響を及ぼさないことがわかった。
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Research Products
(21 results)
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[Publications] 宮崎 浩 他2名: "Tensile properiies of vascular smooth muscle cells"Proc. 2001 Bioengineering Conference, ASME. 155-156 (2001)
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[Publications] 林 紘三郎 他3名: "Remodeling of arterial wall in response to blood pressure and blood flow changes"Proc. 2001 Bioengineering Conference, ASME. 819-820 (2001)
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[Publications] 林 紘三郎 他3名: "Arterial wall remodeling developed by blood pressure and blood flow changes"Abstracts of Swiss-Japan Workshop-New directions in cellular and tissue biomechanics. 19 (2001)
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[Publications] 宮崎 浩 他2名: "Tensile properties of synthetic and contractile phenotypes of vascular smooth muscle cells"Abstracts of Swiss-Japan Workshop -New directions in cellular and tissue biomechanics. 93 (2001)
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[Publications] 梶野 昌平 他3名: "短時間の静的負荷が培養コラーゲン線維束の力学的特性に及ぼす影響"日本機械学会第12回バイオエンジニアリング学術講演会・秋期セミナー講演論文集. 179-180 (2001)
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[Publications] 瀬来 徹朗 他2名: "除荷操作を施した家兎膝蓋腱から摘出したコラーゲン線維の力学的性質"日本機械学会第12回バイオエンジニアリング学術講演会・秋期セミナー講演論文集. 181-182 (2001)
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[Publications] 北村 嘉章 他4名: "膝蓋腱中央欠損部に形成される治癒再生組織の力学的特性"日本機械学会第12回バイオエンジニアリング学術講演会・秋期セミナー講演論文集. 183-184 (2001)
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[Publications] 森 啓 他2名: "家兎頸静脈壁および大腿静脈壁の力学的性質"日本機械学会第12回バイオエンジニアリング学術講演会・秋期セミナー講演論文集. 197-198 (2001)
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[Publications] 廣 孝文 他4名: "膝蓋腱治癒再生組織の力学的特性に及ぼす負荷の影響"第28回日本臨床バイオメカニクス学会予稿集. 81 (2001)
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[Publications] 藤原 泰介 他3名: "力学的負荷の変化に対する成熟ラット大腿骨の反応"第28回日本臨床バイオメカニクス学会予稿集. 127 (2001)
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[Publications] 北村 嘉章 他3名: "膝蓋腱中央欠損部に形成される治癒丙生組織の力学的特性(その後の膝蓋腱内側切除の影響)"日本機械学会第14回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. 65-66 (2002)
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[Publications] 杉本 貴紀 他3名: "高血圧発病ラットの動脈壁の短期間低血流に対する反応"日本機械学会第14回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. 117-118 (2002)
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[Publications] 森 啓 他2名: "家兎人腿静脈壁の力学的特性に及ぼす血圧上昇の影響"日本機械学会第14回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. 119-120 (2002)
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[Publications] 田中 淳三 他3名: "繰り返しひずみの大きさがマクロファージの酸化LDL取り込みに及ぼす影響"日本機械学会第14回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. 247-248 (2002)
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[Publications] 河村 明嗣 他2名: "フェノタイプ変換が血管平滑筋細胞の局所的スティフネスに及ぼす影響"日本機械学会関西学生会平成13年度卒業研究発表講演会前刷集. (2002)
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[Publications] 岸本 謡祐 他3名: "家兎下大静脈壁の力学的性質"日本機械学会関西学生会平成13年度卒業研究発表講演会前刷集. (2002)
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[Publications] 木村 広幸 他2名: "細胞骨格が血管平滑筋細胞の局所的スティフネスに及ぼす影響"日本機械学会関西学生会成13年度卒業研究発表講演会前刷集. (2002)
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[Publications] 鍋島 由希 他2名: "血管内皮細胞の引張特性"日本機械学会関西学生会成13年度卒業研究発表講演会前刷集. (2002)
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[Publications] 野口 仁志 他4名: "膝蓋腱中央に作成した完全矩形欠損部に形成される治癒再生組織の力学的特性"日本機械学会関西学生会平成13年度卒業研究発表講演会前刷集. (2002)
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[Publications] 益尾 秀祐 他2名: "成長による家兎膝蓋腱コラーゲン線維の力学的性質の変化"日本機械学会関西学生会平成13年度卒業研究発表講演会前刷集. (2002)
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[Publications] 枡本 佳世 他2名: "無負荷培養コラーゲン線維束の強度回復に及ぼす線維芽細胞の影響"日本機械学会関西学生会平成13年度卒業研究発表講演会前刷集. (2002)