2001 Fiscal Year Annual Research Report
地殻構造探査にもとづく東北日本の地殻変形・改変過程の研究
Project/Area Number |
12309002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00183385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 谷生 千葉大学, 理学部, 教授 (50111448)
吉田 武義 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80004505)
岩崎 貴哉 東京大学, 地震研究所, 教授 (70151719)
今泉 俊文 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (50117694)
長谷川 昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40004460)
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Keywords | 反射法地震探査 / 地殻構造 / 島弧地殻 / 背弧拡大 / 反転テクトニクス / 東北日本弧 / 後期新生代 / 活断層 |
Research Abstract |
東北日本の地殻構造を理解することは,背弧拡大や島弧地殻変形様式を明らかにする上で重要である.2000年に実施した秋田県由利丘陵横断深部地殻反射法地震探査と石油公団によって収集された本荘沖の日本海東縁、東北合同観測よる奥羽脊梁山地の地震探査データを併せ,東北中部横断測線において地殻構造を総合的に解析した。これら3地域の地殻構造は、新第三紀の縁海拡大時のテクトニクスに支配され特徴的な地質構造を示す。日本海東縁は、西に傾斜した正断層群によって境されるドミノブロックをなし、地殻中部のデタッチメント深度は15kmと標準的である。これに対して由利-出羽丘陵については、伸張場における堆積盆地形成時の高地殻熱流量を反映し、8km程度の深さにフラットを有し、丘陵中軸部にランプをもつフラット-ランプ・モデル形状を示す。脊梁山地の東縁には、中新世のリフトを限る西傾斜の正断層が位置し、現在は地下13km程度にデタッチメントを有するポップアップ構造をなす。由利丘陵で見られる特異な形状の断層は、秋田-山形-新潟積成盆地の形成と密接に関連し、陸上に分布する東北日本の新第三紀堆積盆地を形成したリフトは、大和海盆の形成時期に比べ有意に若い.この時期に噴出した火山岩の組成も,秋田-新潟堆積盆地周辺でのリソスフェアの温度上昇を示している.このリフト系(「北部本州リフト系」)は,秋田-新潟積成盆地を中心に北部本州弧の東進によって形成されたもので,総伸張量は50-100kmと東北南部でより大きい.この時期に形成された断層システムは,断層の再活動を通じて震源断層-活断層システムをなしアクティブテクトニクスにも重要な影響を及ぼしている.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 佐藤 比呂志, 伊藤 谷生ほか4名: "活断層-震源断層システムのイメージングの意義と現状"地学雑誌. 110. 838-848 (2001)
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[Publications] Sato, H., ほか4名: "Deep Seismic Reflection Profiling across the Ou Backbone Range, Northem Honshu Island, Japan"Techtonophysics. (in press). (2002)
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[Publications] Iwasaki, T., ほか4名: "Seismological Features of Island Arc Crust as inferred from Recent Seismic Expeditions in Japan"Techtonophysics. (in press). (2002)
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[Publications] Sato, H., Hirata, N., Iwasaki, T.: "Deep geometry of active faults in Northem Honshu, Japan""Seismotectonics at the subduction zone" (Y. Fujinawa, et al., eds.,), Terra Pub.. (in press). (2002)
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[Publications] Iwasaki, T., Yoshii, T., Hirata, N., Sato, H.: "New features of island arc crust inferred from seismic reflection / wide-angle reflection expeditions in Japan""Seismotectonics at the subduction zone" (Y. Fujinawa, et al., eds.,), Terra Pub.. (in press). (2002)
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[Publications] Umino, N., T. Okada, A. Hasegawa: "Foreshock and aftershock source sequence of 1998 M5.0 Sendai, northeastern Japan, earthquake and its implications for earthquake nucleation"Bull. Seism. Soc. Am. (in press). (2002)
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[Publications] 池田 安隆, 今泉 俊文, 東郷 正美, 宮内 崇祐, 平川 一臣, 佐藤 比呂志編: "第四紀逆断層アトラス"東京大学出版会(A3版). 260 (2002)