2002 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド型人工肝臓に用いる形質転換家畜の開発に関する研究
Project/Area Number |
12309003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
幕内 雅敏 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60114641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤崎 徹 東京大学, 農学部附属牧場, 教授 (00012047)
菅原 寧彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90313155)
成瀬 勝俊 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50291323)
酒井 康行 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00235128)
東條 英昭 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20041668)
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Keywords | 人工肝臓 / トランスジェニック・マウス / トランスジェニック・ブタ / ヒトアルブミン遺伝子 / EGFP遺伝子 |
Research Abstract |
ここまでの導入用遺伝子の作製、培養細胞における導入実験、トランスジェニック(TG)・マウス作出に基づき、明治大学生殖工学研究室との共同研究のもとに、車京大学農学部附属牧場において、TGブタプロジェクトを立ち上げた。Sperm vector法(Intracytoplasmic sperm injection ; ICSI)を採用した。この方法においては、まず、導入用遺伝子を別途入手したブタ精子と共培養して精子頭部に付着させ、遠心することにより精子頭部から尾部を除く。ついで、導入用遺伝子が付着したブタ精子頭部を、ブタ未受精卵にマイクロインジェクションで受精させることにより、受精と同時に遺伝子を導入する方法である。まずブタ体外成熟卵のin vitro培養実験において、pCX-hAlb-EGFPの導入をICSIで行ったところ、培養卵のうち胚盤胞へ発生したものは27/230で12%、さらに、EGFPによる蛍光を示したものは、13個で、得られた胚盤胞の中の48%にEGFPの発現を認める良好な導入成績をあげた。そこで、東京大学農学部附属牧場に、ブタ用手術台、ブタ運搬用ケージ等を製作または購入し、卵移植前後の豚飼育用ストールを10頭分工事して新設した後、2002年9月よりICSIによるブタ卵移植を開始した。この結果、2003年1月、最初の産仔が産まれ、死産ではあったが、蛍光により明瞭な発光を示すTGブタであることが判明した。このブタから皮膚、各臓器を採取して、遺伝子の組込みをPCRにより調べたところ、ブタの皮膚からは、ヒトアルブミン遺伝子と同じ高さに明瞭なバンドを認め、ヒトアルブミン遺伝子が組みこまれていることが確認された。EGFPとアルブミンが同時に導入されたのも、ICSIによって光るブタが誕生したのも、共に世界初であり、画期的な成果と言える。
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[Publications] Katsutoshi Naruse: "Development and perspectives of bioartificial liver support"Hepatogastroenterology. 49. 91-95 (2002)
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[Publications] Katsutoshi Naruse: "Development of xenogeneic direct hemoperfusion method in a bioartificial liver system"Journal of Artificial Organs. 5. 257-264 (2002)