2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12354008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松下 信之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80219427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
錦織 紳一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70134400)
下井 守 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30092240)
小島 憲道 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60149656)
城 始勇 理学電機(株), X線研究所, 主任研究員
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Keywords | 高圧力 / 結晶構造解析 / X線回折 / イメージングプレート / ダイヤモンドアンビルセル |
Research Abstract |
本研究計画では,金属錯体等分子性化合物の高圧力下単結晶X線回折測定に適した,2次元検出器型高圧専用単結晶X線回折装置を試作することを目的としている. 本研究計画立案の背景として,以下の点が指摘される.金属錯体の物質開発において,高圧力は,金属原子と配位原子間の配位結合の距離を短縮し,配位子場を変化させ配位多面体・金属錯体分子の電子構造を大きく変化させる等,大きな摂動場として作用することが期待される.近年,物質開発において,高圧力を用いた物性研究が増加してきた.その解釈には,高圧力下での結晶構造が不可欠である.しかし,金属錯体のような複雑な分子構造とパッキングを持つ物質では,粉末回折から結晶構造を得ることが困難であり,高圧力下での結晶構造の解明はわずかである. 実施内容は,購入した市販の単結晶X線回折装置を,高圧用にハード,ソフト両面で改造し,試作機を製作すること,高圧測定に必要な周辺機器・器具の整備である. 本年度において以下のことを実施した. (1)イメージングプレート型X線回折計のゴニオメーターヘッド部における高圧用改造の不具合について,その原因を解明し取付け冶具を改良した. (2)ダイヤモンド・アンビル・セルの単結晶X線回折用に適すように改良した.ダイヤモンド・アンビル・セルを装着した回折計の動作確認を行った.その際,不具合のあったゴニオメーターの改修を行った.また,回折データのSN比を向上を目的に,信号のバックグラウンドを下げる新しい測定制御プログラム(ファインスライシング法)を導入した.試験試料を用いて通常法との比較測定実験,構造解析,評価を行った.その結果この新測定手法が有効であることを明らかにした. (3)高圧下で興味のある構造・物性変化を示す金属錯体ならびに包接体について合成,単結晶化を行った.対照実験として大気圧下での回折データ測定を行い,構造解析によりその結晶構造を明らかにした.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Taira, N.Matsushita: "Mixed-Valence State of a One-Dimensional Platinum Complex with a Counter Ion Having Two Alkyl Chains and its Liquid Crystal Phase"Mol. Cryst. Liq. Cryst.. 379. 297-302 (2002)
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[Publications] H.Nishimura, N.Matsushita: "Single-Crystalline Photochromism of Bis[2-(aminomethyl)pyridine]platinum(II) Chloride Monohydrate"Chemistry Letters. 930-931 (2002)
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[Publications] N.Matsushita: "A one-dimensional CI-bridged Pt^<II/IV>mixed-valence complex, catena-poly[bis(ethylenediamine)platinum(II)-μ-chloro-bis(ethylenediamine)Platinum(IV)-μ-chloro]tetrakis(hydrogensulfate)]"Acta Crystallogr. Sect. E. E59. M26-M28 (2003)
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[Publications] M.Ohkubo, T.Komatsu, N.Matsushita, N.Kojima, G.Saito: "Crystal Structure and Physical Properties of BEDT-TTF(bis(ethylenedithio)tetrathiafulvalene)Salt Coupled with a Photo-Sensitive Transition Metal Complex"Mol. Cryst. Liq. Cryst.. 376. 147-152 (2002)
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[Publications] M.Shimoi, K.Katoh, G.Kodama, Y.Kawano, H.Ogino: "Fluxtional Behavior of chromium and Tungusten Complexes of Monodentate Bis(trimethylphosphine)diborane(4) : A Model Case for AlkaneMmetal Comlexes"J. Organomet. Chem.. 659. 102-104 (2002)
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[Publications] R.Sekiya, S.Nishikiori: "Design and Structural Extension of a Supramolecular Inclusion-Compound Host Made by the Formation of Dimers of Isonicotinic Acid and Thiocyanato Coordinating Bridges"Chem. Eur. J.. 8. 4803-4810 (2002)