2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12355011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋口 俊郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10111569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清原 正勝 東陶機器株式会社, 基礎研究所, グループリーダー
山本 晃生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40313035)
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Keywords | 静電モータ / リニアモータ / 非接触浮上 / 静電浮上 / 真空 / クリーンルーム / アクチュエータ |
Research Abstract |
超クリーン・真空環境用の静電浮上型リニアモータの研究として,今年度は,高出力静電モータの構成方法に関する研究と,大型基板の静電浮上技術に関する研究とを行った. 高出力静電モータの構成方法に関する研究としては,セラミックス等の基板を用いてモータを作成した場合にどのような性能が得られるかを,シミュレーションと実験の両面より検証した.まず,表面電荷法を用いた数値解析を行い,誘電率等のパラメータがモータ性能に与える影響を評価し,モータの設計指針を得た.これに基づき,アルミナ基板やガラス基板を利用したモータの試作を複数行い,性能評価を行い,シミュレーション結果が妥当であること確認した.最高性能としては,ガラス基板を用いた場合に,2.8kV(0-p)の印加電圧で,1平方cm当たり約0.5Nの最大推力密度が得られた.これは,従来のフレキシブルプリント基板を用いて製作した静電モータを上回る値である.今後は,基板の絶縁耐圧を向上することで,より高い推力性能の実現をめざす.また,移動子・固定子間に働く吸引力が,モータの機構に及ぼす影響についても評価を行い,モータの機構に関する設計指針を得た. 大型基板の静電浮上技術に関する研究としては,300mmシリコンウェハおよび400mmシリコンウェハを浮上対象物として用い,大気環境下における浮上実験を行った.従来の制御方法では,浮上物の大型化に伴い,基板のたわみ等の影響によって制御が困難となることを確認した.現状では,300mmウェハは浮上可能であるが,400mmウェハについては,まだ安定な浮上を実現していない.次年度以降において,今年度得られた知見をもとに,大型浮上物の安定浮上を実現させることをめざす.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hidehiko YASUI,Akio YAMAMOTO,Toshiro HIGUCHI: "Electrostatic Levitation of 300-mm Silicon Wafer"Proceedings of the 2000 International Symposium on Mechatronics and Intelligent Mechanical System for 21 Century (ISIM2000). 51-54 (2000)
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[Publications] 山本晃生,新野俊樹,樋口俊郎: "高出力静電モータによる精密位置決め"2001年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. (発表予定)(未定). (2001)
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[Publications] 山本晃生,新野俊樹,樋口俊郎: "高出力静電リニアモータのサーボ制御"第12回「電磁力関連のダイナミックス」シンポジウム. 565-568 (2000)