異種金属縒り線を用いたレーザ溶射による金属間化合物テーラード・トライボ材料の創成

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12355028
• Research Institution: Ehime University
• Principal Investigator: 荒木 孝雄 愛媛大学, 工学部, 教授 (70029312)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 水口 勝志 愛媛大学, 工学部, 助手 (70108405) ; 西田 稔 愛媛大学, 工学部, 助教授 (60036374)
• Keywords: レーザ溶射プロセス / ストランドワイヤー / Ti-Ni系金属間化合物 / Ni-Al系金属間化合物 / Ni-Al系金属間化合物 / FeAl系金属間化合物 / ライボ特性 / テーラード・マテリアル設計

Research Abstract

1)レーザ溶射プロセスは、1.4kW炭酸ガスレーザ熱源とYAGレーザ熱源、ワイヤ-送給装置、溶射ガス送給部、真空チャンバー、および減圧排気装置で構成した。
2)ストランドワイヤーは、7本縒り線のTi-Ni、Ni-AlおよびNi-Alに加えて、Fe(4)Al(3)、Fe(3)Al(4)およびFe(5)Al(2)とし、さらに、それぞれの19本縒り線のストランドワイヤーを作製した。
3)炭酸ガスレーザ単独照射において、溶射粒子の平均直径は、縒り線送給速度を一定とした場合、レーザパワーを0.8kWから1.2kWに増加させるほど、また、溶射ガス送給圧力が98kPaから294kPaに増大させるほど、溶射粒子の平均直径が、40μmから10μmの細粒に変化した。また、溶射粒子の組成は、TiNi、NiAlおよびNiAl系では1:1であり、それらの皮膜組成は、等量金属間化合物皮膜であった。Fe-Al系の溶射粒子では、Fe(4)Al(3)は、一部Alリッチ相を含むFeAlであり、Fe(3)Al(4)は、ζ-FeAl_2、η-Fe_2A1_5、θ-FeAl_3が混在し、Fe(2)Al(5)は、FeAlとη-Fe_2Al_5、θ-FeAl_3が混在し、それらの皮膜組成は、Fe(4)Al(3)およびFe(3)Al(4)がFeAlであったものの、Fe(5)Al(2)がFeAl以外の分析ピークが観察され、同定が不可能であった。
4)トライボ特性は、Ti-Ni、Ni-AlおよびNi-Al系では、皮膜に約6%の気孔を含むものの、Ti-Niが最も良好な耐摩耗性を示した。Fe-Al系では、Fe(3)Al(4)が、1〜2%の低い気孔率であり、最も良好な皮膜であった。一方、Fe(2)Al(5)が最も高い硬さを示した。この硬さ増加は、3)に記したように、同定が十分でないが、ζ-FeAl_2、η-Fe_2Al_5、θ-FeAl_3が多く混在しているものされ、今後詳細な検討を要する。
5)ストランドワイヤーを用いたレーザ溶射は等量及び非等量金属間化合物皮膜のテーラード・マテリアル設計への展開が期待される。

Research Products

• [Publications] Takao Araki and Minoru Nishida: "Laser Spraying Process for TiNi, NiAl and TiAl Intermetallic Compound Coatings on Al and Stainless Steel Plates"54^<th> Annual Assembly of the International Institute of Welding. (7月発表予定). (2001)
• [Publications] Takao Araki and Minoru Nishida: "Tailored Coatings of TiNi, NiAl and TiAl intermetallic Compound by Using Laser Reactive Spraying Method and Wear Resistance"Laser Assisted Net Shape Engineering. 3(8月発表予定). (2001)