2000 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化抑止対策のための土壌生態系炭素収支モデルの構築
Project/Area Number |
12356004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 眞人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20092190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三枝 正彦 東北大学, 農学部・附属農場, 教授 (10005655)
波多野 隆介 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40156344)
松本 聡 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20032295)
袴田 共之 農林水産省, 国立環境技術研究所・環境管理部, 上席研究官
和田 信一郎 九州大学, 農学部, 助教授 (60108678)
小崎 隆 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00144345)
岡崎 正則 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 教授 (00092479)
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Keywords | 炭素収支 / 炭素フロー / 土壌生態系 / 収支モデル / 炭素ストック / 炭酸ガス / メタン / 土壌溶液 |
Research Abstract |
森林・農耕地生態系における有機物の生成と分解(炭素循環)を把握するモデルを確立し、炭素循環モデルと既存の関連データから国土レベルでの炭素循環の現状を推定することを目的として、北海道内の農地、森林、家畜、人間系からなる各地域の炭素収支を検討したところ、農地、森林において固定された炭素は、家畜・人間の呼吸により失われ、森林が95%を占める地域では4tC/haの固定、人口密度が4000人の都市部では1tC/haの発生となった。化石エネルギー消費を考慮すると、都市部では発生量が140tC/haに拡大した。今後、人間活動の適正規模を見積もることを計画している 加えて、各生態系における炭素収支の関わる主要な分解・集積量を検討した。(森林の炭素収支)コナラ二次林およびヒノキ植林下の土壌からの二酸化炭素フラックスを定量したところ、コナラ林下からは368(11月)〜1800(9月)mgCO_2/hr/m^2が、ヒノキ林下からは256(11月)〜917(9月)mgCO_2/hr/m^2が発生していた。(水田の炭素収支)水田における稲ワラの還元量、粗大植物遺体量は、それぞれ約3tC/ha、2〜4tC/ha、であり、一作期間に浸透水によって浸透する溶存有機物量、溶存二酸化炭素量の総量は、44kgC/ha、325kgC/haと推定された。浸透水により作土から失われる炭素の量は、土壌有機物量の約4.6%に相当することが判明した。(草地の炭素収支)造成年数の異なる草地での炭素収支の推定を目的として、腐食含量の異なる黒ボク土にオーチャードグラスを主体とする草地を造成しルートマット形成の初期段階および、土壌呼吸を含む炭素収支を検討し、ルートマットの炭素ストックとしての重要性を解明しつつある。 さらに、有機物分解速度評価のための微小熱量計の利用方法、土壌への二酸化炭素吸着量の測定法を確立した。
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