2002 Fiscal Year Annual Research Report
クリプトスポリジウム症に対する卵黄抗体を用いた受動免疫療法の確立
Project/Area Number |
12356009
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
長澤 秀行 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60172524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山田 隆 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (80050665)
児玉 義勝 (株)ゲン・コーポレーション, 所長
井関 基弘 金沢大学, 医学部, 教授 (20047179)
玄 学南(Xuan Xuenan) 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (10292096)
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Keywords | 原虫病 / ウイルスベクター / オオシスト / Cryptosporidium parvum / 受動免疫 / 遺伝子組み換え / 感染防御機構 / 卵黄抗体 |
Research Abstract |
1.クリプトスポリジウム原虫の防御抗原をコードする遺伝子のクローニング マウス糞便中より回収したCryptosporidium parvumオオシストを試料として、前年度に引き続き特異抗原遺伝子のクローニング及び塩基配列の解析を実施した。免疫原生の高い特異抗原に関しては、ワクチン候補として、また、特異診断用抗原としての有用性を検討した。 2.ウイルスベクターを用いた遺伝子組換え体の作製 感染防御抗体産生のための免疫原として使用する目的で、鶏ヘルペスウイルス、マレック病ウイルスあるいは昆虫のバキュロウイルスをベクターとして、クリプトスポリジウム遺伝子の組み換え体を作製した。 3.クリプトスポリジウム抗原の大量発現・精製 鶏に免疫するためのリコンビナント原虫抗原及びクリプトスポリジウム原虫遺伝子組み換えウイルスを大量に発現・精製するシステムを確立し、充分量の抗原を確保した。 4.抗体ハイリスポンダー鶏種への高度免疫 高い抗体産生能力を有する鶏種を特定し、精製したリコンビナント原虫抗原あるいは組み換えウイルスを接種し、抗体産生を誘導した。免疫鶏の卵黄から抗体を精製するシステムについては、すでに確立しているが、抗体量産に向けた免疫方法及び免疫原の種類についての検討は継続中である。 5.牛群を用いた受動免疫効果の評価 野外応用試験により免疫効果について検討した結果、非接種対照群と比較し、明らかな防御効果が認められた。 6.国内の牛クリプトスポリジウム症に関する疫学調査 我が国の河川中に、クリプトスポリジウム・オオシストが広範囲に存在する事実を明らかにし、その由来については、牛である可能性が高いことを報告した。スキットマウスを用いた実験により、河川中のオオシストは感染性を有する事実も明らかにしている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tsushima, Y. et al.: "Seasonal change in the number of Cryptosporidium parvum oocysts in water samples from the rivers in Hokkaido, Japan, detected by the ferric sulfate flocculation method"J. Vet. Med. Sci.. 65. 121-123 (2002)
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[Publications] 更科孝夫等: "「特集:原虫感染と水処理」:健康牛のクリプトスポリジウム汚染の実態調査"用水と排水. 44(4). 19-22 (2002)
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[Publications] Makala, L. et al.: "Peyer's Patches : Organized lymphoid structures for the induction of mucosal immune responses in the intestine"Pathobiology. 70. 55-68 (2002)
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[Publications] Huang, X. et al.: "Characterization of Toxoplasma gondii SAG2 expressed in insect cells by recombinant baculo virus and evaluation of its diagnostic potential in an enzyme-linked immunosorbent assay"Clin. Diagn. Lab. Immunol.. 9. 1343-1347 (2002)
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[Publications] Nishikawa, Y. et al.: "Canine herpesvirus ORF2 is a membrane protein modified by N-linked glycosylation"Virus Res.. 87(1). 1-9 (2002)
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[Publications] Tsushima, Y. et al.: "Viability and infectivity of Cryptosporidium parvum oocysts detected in river water in Hokkaido, Japan"J. Vet. Med. Sci.. (in press). (2002)