2001 Fiscal Year Annual Research Report
WOLFRAM症候群マウス作製と膵β細胞維持機構解明による新規糖尿病治療薬開発
Project/Area Number |
12357007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡 芳知 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70175256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 完史 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80312578)
高橋 和眞 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60292215)
谷澤 幸生 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (00217142)
湯尻 俊昭 山口大学, 医学部, 日本学術振興会特別研究員(PD)
檜尾 好徳 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10282071)
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Keywords | 糖尿病 / アポトーシス / 小胞体ストレス / ER(endoplasmic reticulum) / 膵β細胞 / インスリン分泌 |
Research Abstract |
ウオルフラム症候群原因遺伝子WFS1は日本人3家系を中心としたポジショナルクローニングで我々が世界に先駆けて突き止めた遺伝子である。その機能は全く不明であるが、患者では膵β細胞の減少がみられることから、WFS1は膵β細胞の維持・再生機構に重要な役割を果たしていると考えられる。WFS1の機能解明のため、まずその細胞内局在を検討した。種々の合成ペプチドを用いた抗体作製は成功しなかったが、最終的にはWFS1とのGST-fusion蛋白で免役し特異抗体の作製に成功した。その抗体を用いた免疫染色では、ERマーカーとco-localizeすることが示された。ゴルジ体やミトコンドリアのマーカー像とは異なっていた。蔗糖密度勾配法による細胞分画、可溶化剤による処理などの結果もあわせ、WFS1蛋白はERに局在する糖鎖を有する膜蛋白であると結論した。さらに、WFS1の遺伝子発現がCaイオノフォア(A23187)などのERストレスにより変化することを見出した。近年、ERストレスと細胞死との関連が注目されているが、以上の結果から、WFS1はERストレスへの防御機能を果たしており、その機能欠如が徐々に膵β細胞死を導き、患者では10歳前後に糖尿病を発症する可能性を考えさせる。また、WFS1のノックアウトマウスの作製も順調に進んでいる。野生型、ヘテロ、ホモのマウスは、1 : 2 : 1で生まれており、ホモマウスには胎生致死などの問題はなく、明らかな形態異常もない。生後12週までの血糖値にはこれらの群間で差はないが、preliminaryな結果では、さらに週齢が進むとホモマウスで血糖値の上昇がみられるようであり、さらに詳細な解析を続けている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamada T, et al.: "3-phosphoinostide-dependent protein kinase 1, an Akt1 kinase, is involved in dephosphorylation of Thr308 of Akt1 in Chinese hamster ovary cells"J Biol Chem. 276. 5339-5345 (2001)
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[Publications] Takeda K, et al.: "WFS1 (Wolfram syndrome 1) gene product : Predominant subcellular localization to endoplasmic reticulum in cultured cells and neuronal expression in rat brain"Hum Mol Genet. 10. 477-484 (2001)
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[Publications] Emoto M, et al.: "Troglitazone treatment increases plasma vascular endothelial growth factor in diabetic patients and its mRNA in 3T3-L1 adipocytes"Diabetes. 50. 1166-1170 (2001)
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[Publications] Okuya S, et al.: "Leptin increases the viability of isolated rat pancreatic islets by suppressing apoptosis"Endocrinology. 142. 4827-4830 (2001)
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[Publications] Suzuki Y, et al.: "Lipoma and sensory neuropathy in mitochondrial diabetes associated with tRNA mutation at position 3271"Diabetes Care. 25. 407-408 (2002)
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[Publications] Tanizawa Y, et al.: "Unregulated elevation of glutamate dehydrogenase activity induces glutamine-stimulated insulin secretion : Identification and characterization of a GLUD1 gene mutation, and insulin secretion studies with MIN6 cells overexpressing the mutant GDH"Diabetes. (in press).