2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12358009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 豊 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20110752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹川 暢之 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (00324369)
北 和之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (30221914)
小池 真 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00225343)
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Keywords | 一酸化炭素 / 真空紫外 / 共鳴蛍光 / オゾン / 対流圏 / 航空機観測 |
Research Abstract |
対流圏において、一酸化炭素(CO)はオゾン(O3)および水酸ラジカル(OH)に対して強い影響を及ぼす気体である。オゾン及びその前駆気体の空間的・時間的変動が大きいため、その光化学過程・輸送過程を定量的に研究するためには、これらの気体を航空機観測によって高精度・高空間分解能で測定することが重要である。しかしながら、航空機上で高空間分解能の測定を行うためには、1秒程度の速い応答性を持った測定器が必要である。本研究では真空紫外光(VUV)の一酸化炭素の共鳴蛍光を利用した測定器の開発を行った。一酸化炭素を150nm付近の波長の真空紫外光(VUV)で励起し、その結果放出される波長160-200nmの蛍光強度の測定から一酸化炭素濃度を高時間分解能で測定する。 測定器の主要部分はCO共鳴線ランプ,真空紫外分光器,蛍光セル,および光電子増倍管(PMT)から成る。CO共鳴線ランプは150nm付近のCO共鳴線を強く放射するような光源であり,その光のうち適切な波長域のみを分光器により選択して蛍光セル内に照射する仕組みになっている。PMT窓には160nm以上を透過するfused silicaを用いている。またランプ窓には147nm以上を透過するcrystalline quartzを用いて,136nmより短波長の光が引き起こす水蒸気の干渉を完全に除去した。背景光の主要な要因は,酸素分子による共鳴ラマン散乱である。この背景光と感度を精度良く決定するために,実際の航空機観測では10分毎に純空気とCO標準ガスをセル内に導入して較正を行う。 製作した測定器の性能を室内実験で測定した結果、測定精度は1秒の積分時間で1.1ppbvであり、応答時間は2秒程度であった。この高い精度と時間分解能は実際の航空機観測においても同様であることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takegawa, N., K.Kita, Y.Kondo 他: "Airborne VUV resonance fluorescence instrument for in situ measurement of CO"J. Geophys. Res.. 106. 24237-24244 (2001)
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[Publications] Kita, K., S.Kawakami, Y.Miyazaki他: "Photochemical production of ozone in the upper troposphere in association with cumulus convection over Indonesia"J. Geophys. Res.. (in press).
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[Publications] Koike, M., Y.Kondo 他: "Reactive nitrogen over the tropical Western Pacific : Influence from lightning and biomass burning"J. Geophys. Res.. (in press).
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[Publications] Kondo, Y., M.Koike, K Kita 他: "Effects of biomass burning, lightning, and convection on O3, CO, and NOy over the tropical Pacific and Australia in August-October"J. Geophys. Res.. (in press).
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[Publications] Miyazaki, Y., K.Kita, Y.Kondo他: "Springtime photochemical ozone production in the upper troposphere over East Asia"J. Geophys. Res.. (in press).
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[Publications] Shirai, T., D.R.Blake 他: "Emission estimates of selected volatile organic compounds from tropical savanna burning in northern Australia"J. Geophys. Res.. (submitted).