2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12358014
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
角田 幸雄 近畿大学, 農学部, 教授 (80217364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米村 功 鳥取県中小家畜試験場繁殖科, 科長
谷 哲弥 近畿大学, 農学部, 助手 (70319763)
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Keywords | 核移植 / クローン豚 |
Research Abstract |
昨年度樹立した胞卵の体外培養条件、未受精卵の単為発生誘起条件を用いて、豚体細胞の核移植を行った結果、8頭の体細胞クローン豚の作出に成功した。用いたドナー細胞は、1頭の成熟雌豚(4歳)の肝臓、心臓、腎臓、筋肉、耳、卵管より樹立した細胞ならびに培養卵丘細胞および体長7.5cmの胎児より樹立した細胞である。細胞は2〜4回継代培養し、少なくとも3日間以上血清飢餓培養を行った後、核移植に用いた。抗体を用いた検討の結果、用いた細胞はいずれも繊維芽細胞であることが判明した。まず、染色体を予め除去した第2減数分裂中期未受精卵に直流電流を与えてドナー細胞を1個融合し、活性化刺激を与え、6日間体外で培養して発生率を調べた。その結果、何れの細胞を用いた場合でも核移植卵の内3〜9%が胚盤胞に発生することが判明した。ついで、核移植卵を1または2日培養後2〜4細胞期へ発生させ、約5時間かけて鳥取県中小家畜試臓場へ運送した。ついで、性周期を同調させた受胚豚の子宮へ外科的に移植した。受胚雌にはそれぞれ137〜341個の核移植胚を移植した。移植した6頭の受胚雌の内、超音波による妊娠診断のよって3頭が受胎していることが判明した。その内、1頭は妊娠62日目に流産したが、残りの2頭は正常な子豚をそれぞれ4頭ずつ分娩した。また、その他1あるいは2頭の死亡胎児を同時に娩出した。DNAのマイクロサテライト解析を行った結果、いずれもドナー細胞由来であることが判明した。現在、クローン豚は分娩後6ケ月目を迎えているが、何れも極めて元気に発育しており、異常などは認められていない。
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[Publications] T.Amano, Y.Kato, Y.Tsunoda: "Full-term development of enucleated mouse oocytes fused with embryonic stem cells from different cell lines"Reproduction. 121. 729-733 (2001)
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[Publications] T.Amano, Y.Kato, Y.Tsunoda: "Comparison of heat-treated and tetraploid blastocysts for the production of completely ES-cell-derived mice"Zygote. 9. 153-157 (2001)