2001 Fiscal Year Annual Research Report
現代アフリカ女性の開発プログラム参加と言語選択に関する学際的研究
Project/Area Number |
12371001
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
宮本 律子 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (30200215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 真紀子 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (40248183)
楠瀬 佳子 京都精華大学, 人文学部, 教授 (00200204)
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Keywords | 開発 / アフリカ / 多国籍 / ジェンダー / 言語選択 / 言語政策 / 識字教育 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
平成13年度は、初年度に築いた現地協力者との人間関係に基く現地調査を中心とした。 本研究の研究目的、すなわち (1)開発プログラム(特に識字教育)にみる女性の社会参加実態 (2)開発政策と言語政策との関係 (3)識字教育と民族語使用との関係 (4)社会参加からみた女性の言語選択の実態 (5)識字教育と民族語・民族文化保持の関係 のうち、宮本は、ケニア、タンザニア、ウガンダにおいて(2)開発政策と言語政策との関係(3)識字教育と民族語使用との関係、(4)社会参加からみた女性の言語政策の実態を都市部及び郡部の20代〜60代のあらゆる社会層の女性を対象にインタビュー形式で調査した。楠瀬は、南アフリカ、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナにおいて(1)開発プログラム(特に識字教育)にみる女性の社会参加実態(2)開発政策と言語政策との関係(3)識字教育と民族語使用との関係を都市部以外の地域に入って調査した。戸田は、(1)開発プログラム(特に識字教育)にみる女性の社会参加実態を中心に、ウガンダ、ケニア、タンザニアにおいて調査した。宮本の調査では、教育レベルで言語の選択意識に差が出ること、国家の言語政策にかかわらず、母語を家庭内で維持したいという意識が強いことがわかったが、なお詳細な分析が必要である。楠瀬は、民族語を使用しての教育、特に民話の語り継ぎが大きな成果をあげていることを実証した。戸田は、少女の識字教育に携わるNGOの活動を追いながら、同じNGOの活動であっても地域によってアプローチが異なることなどを観察した。今後は、現地研究者の協力を得て、それぞれの地域での調査及び入手したデータの分析を進めていきたい。また、本研究対象地域は、東部アフリカと南部アフリカであるが、今後は西部及び北部地域にまで拡大して、アフリカ地域全体を概観できるように研究を展開していきたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 宮本律子: "スバ語調査報告-ビクトリア湖東部の失われつつあるバントゥ語の一例"アフリカレポート. No.30. 20-23 (2000)
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[Publications] 宮本律子: "ジェンダー研究の回顧と展望"アフリカ研究(特集21世紀のアフリカ研究I). No.57. 33-36 (2001)
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[Publications] 楠瀬佳子: "ベッシー・ヘッド ボツワナに新たな生を求めて"週刊朝日百科『世界の文学』(アジア・アフリカ・オセアニア編). 119号. 264 (2001)
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[Publications] 楠瀬佳子: "児童文学の世界"第三書館(仮題)(2002年5月刊行予定).
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[Publications] 楠瀬佳子: "現代アフリカの社会変動ーー-ことばと文化の動態視察"人文書院(2002年4月刊行予定).
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[Publications] 和田正平編著・戸田真紀子: "現代アフリカの民族関係"明石出版(2002年5月31日刊行予定).