2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12371008
|
Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
杉山 三郎 愛知県立大学, 外国語学部, 助教授 (40315867)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 達也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員
佐藤 悦夫 富山国際大学, 人文学部, 講師 (40235320)
|
Keywords | 考古学 / メソアメリカ / メキシコ / 古代国家 / 古代都市 / テオティワカン / 月のピラミッド / 生贄埋葬 |
Research Abstract |
2000年7月から10月にかけて、メキシコの古代都市テオティワカンの中心的モニュメント「月のピラミッド」を、メキシコ政府研究機関と共に集中的に発掘調査。その後も現在まで現地の研究センターにて遺物の整理、分析を行い、愛知県立大学では持ち帰った資料の整理保管作業と研究を継続中。先行調査の結果を踏まえて、2交代制のトンネル発掘を4箇所で同時に行い、「月のピラミッド」内部に6時期の重なり合ったピラミッド基壇と、3基の生贄埋葬墓が含まれていることを発見。ピラミッドの中心部分では、5期の基壇北面が確認され、また6期基壇に捧げられた17体の人頭骨の生け贄埋葬体が出土、その他のトンネルでは2、3、4期の基壇の継続調査を行う。また「月のピラミッド」上層部で新しく掘られたトンネル調査では、5期基壇の西側側面と頂上の床面が、予定通りその中心地点まで確認されたが、ピラミッド上にあったと想定される神殿自体はまだ発見されておらず、次期発掘を待つ。また外部調査では隣接する住居祉、関連施設、床と壁の葺き替え跡、黒曜石工房からの加工破片堆積層などを確認。その他にも、「月の広場」に面した他の公共建造物との関係を探る層位データと遺物の収集も行う。さらに地上測量、セスナ機からの航空撮影も敢行、それらのデータをもとにして、発掘データも組み込んだ「月のピラミッド」を中心とした都市主要地区の建築史をビジュアルに復元する予定。三次元グラフィック原図はすでに完成し、二次現地測量を待つ。遺物分析はメキシコ側研究センターで行われている他、特殊研究は海外の諸機関に依頼、一部を除きすでに結果入手済み。現在メキシコ政府に提出予定の、発掘と遺物分析の詳細なテクニカルレポートと次年度の計画書を作成中。また本年4月のアメリカ考古学協会総会で「月のピラミッド」調査団のシンポジウムを企画、共同研究者と共に成果発表の予定。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 杉山三郎: "テオティワカン「月のピラミッド」におけるイデオロギーと国家:1998-1999年発掘調査概要"古代アメリカ. 3. 27-52 (2000)
-
[Publications] 杉山三郎: "テオティワカンにおける権力と抗争"古代文化. 53巻8号(8月刊行予定). (2001)
-
[Publications] Saburo Sugiyama: "Informe del Proyecto de Investigacion Argueologica en la Piramide de la Luna, Tectihuacan"Archives of the National Institute of AnthropoLogy and History. 233 (2000)