2000 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ南東部における淡水産板鰓類の系統進化・環境適応および保護に関する研究
Project/Area Number |
12375005
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田中 彰 東海大学, 海洋学部, 教授 (90138636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 和夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20092174)
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
谷内 透 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00012021)
大竹 二雄 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20160525)
村上 昌弘 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70134517)
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Keywords | 淡水産板鰓類 / 分布 / 出現 / セントルシア湖 / ザンベジ川 / ベツボカ川 / マハジャンボ川 / リンポポ川 |
Research Abstract |
平成12年5月29日に日本大学生物資源科学部の谷内透研究室にて第1回打合会を行い、研究計画に基づいた調査日程を決め、調査国におけるJICA、外務省などの協力機関の連絡体制を整えた。 8月5日より田中彰が南アフリカの共同研究者Dr.Compagnoの博物館に訪れ、アフリカ南東部における淡水産板鰓類の分布状態について話し合った。谷内透は8月11日に南アフリカのダーバンに訪れ、田中と合流しSt.Lucia湖での板鰓類の生息状況を調査した。また、Zululand大学のCyrus教授と面会し、St.Lucia湖の環境について情報収集した。その後、田中・谷内はモザンビークに入国し、首都マプトの水産局、大学、博物館で情報収集した後、キリマネ、ベイラからザンベジ川河畔のMopeia,Caia,Tete,Cahora Bassaへ行き、板鰓類の聞き込み調査を行った。また、Buzi川、Save川の河口の村に行き、聞き込み調査を行った。Jangamo,Quissico,Xai-Xai,Praia do Bileneの沿岸、汽水湖での板鰓類の生息状況について漁師から情報収集を行った。Limpopo川河畔のCanicado,Maputo川のBela Vistaにおいても聞き込み調査を行った。これらの調査を行い、ザンベジ川ではオオメジロザメとノコギリエイの生息の可能性が示唆された。また、Praia do Bileneの汽水域にはエイ類の生息が示唆された。 谷内は9月2日に帰国し、同日、村上昌弘が南アフリカに訪れ、田中と合流しLimpopo川上流のMessina,Pafuriで聞き込み調査を行ったが、生息の確認はできなかった。その後、9月5日に大竹二雄が南アフリカに訪れ、田中・村上と合流しマダガスカルへ向かった。マダガスカルでは大使館・JICAの職員から情報を収集し、Mahajangaを中心に聞き込み調査を行った。Betsuboka川河畔のMarovoay,Madiovora,Ambato Boeny,Maevatananaの各村、Mahajamba川のAmbalabe,Mahajambaの各村、Kinkony湖のMitsinjoに行き、漁師に板鰓類の漁獲状況を確認した。Kinkony湖では過去に生息の記録はあるが現在では水深が浅くなり、板鰓類の生息は認められていない。しかしながら、Betsuboka川、Mahajamba川ともに板鰓類の生息は確認でき、いまでも大潮の時に漁獲されている。また、ノコギリエイの吻やサメの開き干しが確認できた。マダガスカル調査の後、モーリシャスを訪れ、モーリシャス島周辺の魚類調査を行っているJICA職員に会い、板鰓類の生息状況の聞き込み調査を行い、アフリカ大陸との比較標本の入手の可能性を調査した。アフリカ大陸沿岸に生息する同種のエイ類の分布が確認できたが、ノコギリエイの生息は確認できなかった。田中と大竹は平成13年3月にマラウイのShire川での板鰓類の生息調査を行ったが、その生息確認はできなかった。その帰途にパリの博物館において保存標本の調査を行った。
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