2001 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ南東部における淡水産板鰓類の系統進化・環境適応および保護に関する研究
Project/Area Number |
12375005
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田中 彰 東海大学, 海洋学部, 教授 (90138636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 昌弘 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70134517)
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
谷内 透 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00012021)
大竹 二雄 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20160525)
兵藤 晋 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (40222244)
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Keywords | 淡水産板鰓類 / 出現 / ノコギリエイ / オオメジロザメ / アミメオトメエイ / ブジ川 / ベツボカ川 / 浸透圧 |
Research Abstract |
平成13年7月3日に東京大学農学部の会議室にて第1回打合会を行い、研究計画に基づいた調査日程を決め、調査国におけるJICA、外務省などの協力機関との連絡体制の確認を行った。 8月6日より田中彰・大竹二雄・押谷俊吾(研究協力者)がモザンビークの共同研究者Mr.Almeida Guissamuloの自然史博物館に訪れ、ザンベジ川における淡水産板鰓類の事前調査結果と今回の調査計画について話し合った。事前調査は十分に出来ておらず、有効な情報は得られなかった。調査に用いる刺網とボートを車で運び、ザンベジ川に向かったが、途中ボートのキャリアーが壊れ、ザンベジ川には運べなかった。ザンベジ川下流の町Marroumeuでは庁舎にで情報を収集したが、河口域の村Chindeまで行かないと採集は困難であることがわかった。そこで、今回はザンベジ川の調査を断念して、Beiraに調査拠点を置きBuzi川で調査を行った。河口域においてHimantura uarnak,H.Jenkinsiiと思われるエイが9個体採集された。その後、Save川の河口の村に行き、聞き込み調査を行うとともに漁師に捕獲を頼んだが採集できなかった。途中、大竹は8月21日に帰国し、その前日、村上昌弘が合流した。8月25日にはMaputoに帰り、共同研究者と今後の打ち合わせをしてモザンビークでの調査を終了した。 8月27日にモザンビークを後にして押谷は帰国の途につき、田中・村上はマダガスカルへ向かった。マダガスカルでは8月28日に谷内透・兵藤晋・石原元(研究協力者)と合流し、OFCFの職員と打ち合わせを行った後、Mahajangaまで車で向かった。MahajangaでOFCFの現地職員の協力を得て、Betsuboka川河畔のMarovoayに調査拠点を設けた。Madiovora,Ambato Boeny,Maevatananaの各村、Mahajamba川のMahajambaの村に行き、漁師に板鰓類の漁獲を依頼した。Betsuboka川流域からノコギリエイPristis microdon4個体、オオメジロザメCarcharhinus leucas3個体、H.uarnak?1個体を採集できた。 これらの試料を基に浸透圧を測定したところ、Buzi川のH.Uarnakでは723,783mOsmで海産のエイ類より低い値をしました。しかしながら、Betsuboka川で採集された同種と思われる個体は1182mOsmを示し、海産のエイ類と類似した値であった。また、ノコギリエイは685〜782mOsm、オオメジロザメは923〜975mOsmの浸透圧を示し、後者は既往の報告に比べ若干高い値を示した。筋肉中のアミノ酸組成を調べたところ、ノコギリエイでは成長に伴いヒポタウリン、グリシン、ベータアラニンなどの含有量が変化することが認められた。
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