2001 Fiscal Year Annual Research Report
情報社会における組織の柔軟性と開放性に関する実証的研究
Project/Area Number |
12410048
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
犬塚 先 千葉大学, 文学部, 教授 (70009752)
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Keywords | 組織 / 情報社会 |
Research Abstract |
情報機器、及びソフトウェア開発を行っている企業について、実態調査を行った。そして、製造過程及び開発過程におけるIT技術の適用、それに伴う組織形態の変化を調査した。さらに、広く現在の状況を把握するため、郵送によるアンケート調査を実施し、349社から回答を得た。データの入力と第一次集計を行い、次年度での分析のための材料を整備した。 主にインタビュー調査と文献資料に基づいて行った分析を中心に、生産技術、ITとフレキシビリティの動向に関して理論的な整理を行い、小論としてまとめた。産業の情報化は、「経験の情報化」と「情報の経験化」の二つの局面で進行している。前者は、情報の共有から発展して、情報の制御・リンク、情報の創生へという過程をたどっている。後者は業務と管理の情報化によって、新しいスキル、判断能力の必要性を高めている。これが柔軟化を要請する条件であるが、今のところ活動手段、環境条件から主体の方向へという側面が強く表れている。従って、経験の情報化から情報の経験化、そして情報の創造へという一連の流れは、個人主体を取り巻くシステムの領域で急速に進んでいる。物から情報へと基準が変わっても、その変化の根底に存在する原則は前のシステムを引き継いでいる。つまり統制力の起点が相変わらずシステムの側に傾斜して分布していることが明らかになった。
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