2001 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール依存症者に関するイメージと実相についての研究
Project/Area Number |
12410051
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松下 武志 日本大学, 文理学部, 教授 (20004062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 厚夫 京都教育大学, 教育学部, 教授 (60116605)
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Keywords | アルコール依存症 / アルコール依存症者 / 断酒会 / アメシスト / シングル / イメージ |
Research Abstract |
本年度は研究の最終年度であるので、アルコール依存症者の自己イメージの形成過程およびそれの修正過程に焦点を当てて面接調査を実施した。 まず第1にアルコール依存症者全般についてのイメージとその実相とのギャップの実態を把握する作業をおこなった。断酒会リーダー層への聞き取り調査は、仙台、東京、大阪、京都、広島、山口、島根の各支部断酒会の幹部に対しておこなった。一般の酒害者に対しては、京都、大阪、島根において開催された断酒研修会、例会等への参加者に対して面接調査をおこなった。 第2にアルコール依存症者のなかでもマイナスイメージが特に強いのは女性アルコール依存症者(アメシスト)、単身アルコール依存症者(シングル)低所得アルコール依存症者(救護施設入居者)である。そこでかれらに焦点を絞り、それぞれの組織および施設のリーダーたちによる、<世間の人びとが持っているアルコール依存症者についてのイメージ>を改善のための具体的試みに関して聞き取り調査をおこなった。 第3にこれらの作業と平行して、アルコール依存症者のイメージ形成(世間の人びとおよびアルコール依存症者自身による)とその修正過程(同左)に関係する諸要因を解明するための補強資料等を全日本断酒連盟本部や上記した各地区の支部事務局より収集した。 以上の作業を通して、アルコール依存症者のイメージと実相とのギャップは、アルコール依存症者自身による断酒例会への参加、地域活動への協力、アルコール問題に関する啓発活動の展開等によって、段階的にではあるが埋めることが可能なことを明らかにした。
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Research Products
(1 results)