2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12410053
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中尾 啓子 東京都立大学, 人文学部・社会学科, 助教授 (10274995)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷岡 一郎 大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (90227207)
安蔵 伸治 明治大学, 政治経済学部, 教授 (30184310)
林 拓也 東京都立大学, 人文学部, 助手 (90322346)
|
Keywords | 社会階層 / 社会的地位 / 職業威信 |
Research Abstract |
本研究の目的は、個人の行動や意識を規定する要因として重要な変数である社会的地位の測定法を再探究することにある。本年度は、従来の測定方法の再検討を行い、それによって提示された改良すべき点に基づいて調査設計を考案し、来年度の本調査に向けての予備調査を施行した。 従来の研究においては、社会的地位の指標として、個人が従事する職業(職種)に与えられた職業威信スコアが用いられてきた。しかし現代の日本社会においては、人々が社会的地位を評価する際、企業規模と産業によって同じ職種でも地位の評価が異なることが想定され、職種以外のそれらの変数が人々の評価に与える影響を測量する調査計画をたてた。職種、企業規模、産業の3変数の組み合わせからなるFaclorial Designによって合計100の職業項目を選択し、それらに関しての社会的地位を評価してもらう。 予備調査は、東京都23区内に居住する200人の男女を対象に、2001年2月に実施された。予備調査では母集団に関する一般化を目的としていないため、標本は性別と年齢を考慮した割り当てサンプル法で抽出した。調査は面接形式を用い、一人当たり50の職業項目を評価してもらった。それぞれの職業項目は名刺大のカードに印刷され、回答者は合計50枚のカードを渡される。回答者の前には9段階に分けられた長い厚紙が置かれ、その一番上の四角を社会的地位がもっとも高いもの、一番下がもっとも低いものと想定してもらい、それぞれのカードに書かれた職業項目の社会的地位の評価に該当する四角の上に置いていってもらった。この調査方法は、アメリカで1960年代から用いられており、職業威信の測定方法としては主流となっている方法である。 現在分析中の予備調査の結果から、測定方法自体の妥当性を検討し、職業評価における企業規模と産業の比重を計量化し、来年度の本調査の設計にのぞむ。
|