2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12410064
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
溝口 次夫 佛教大学, 社会学部, 教授 (20157522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満田 久義 佛教大学, 社会学部, 教授 (60131306)
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Keywords | 宗教 / 自然破壊 / 自然科学 / 資源 / 自然との共生 / 持続可能な社会 / ライフスタイル / 環境先進国 |
Research Abstract |
20世紀のヨーロッパ文明はそれまでの宗教を中心とした文化から脱皮し、自然科学を中心とした文明が開花した。20世紀後半のわが国および欧米先進諸国は自然科学発展の恩恵により、飛躍的な文化と高度な生活を得ることに成功した。しかし、その反面、著しい自然破壊をもたらしていることに最近になってやっと気が付いた。これまで、地球上の資源の大部分は無限に存在するものと考えられていたが、そのほとんどが有限であり、しかも、これまでと同様の経済成長を維持すれば21世紀中にも枯渇する重要な資源が少なくないと推定されている。 本研究では、20世紀の自然科学の発展を振り返り、その進め方、方向を見直し、21世紀以降の自然科学の進むべき方向、あり方を考え、自然との共生を図る科学の概念を提言することを目標としている。そのために、本年度はその予備的研究として、持続可能な社会を構築するために必要な資源、ライフスタイルなどについて、その現状を調査した。 調査は次の3項目について主として行った。 1.地球上の資源の現状とその分布および将来の推定 2.将来の人口予測と省資源、省エネルギーの可能性 3.持続可能な社会を構築するための科学のあり方 それぞれの項目について独自の分析を試みたが、そのために環境先進国と言われるオランダおよびドイツの国民意識、環境負荷への行動力、政府、企業の施策などを調査した。また、現在すでに世界の総人口の20%以上を占め、21世紀半ばにはさらにその比率が増加すると推定されている中国の現状を調査し、発展途上国全体の持続可能な社会のための科学のあり方を検討した。さらに、マタラム大学との共同研究でインドネシア・ロンボック島における持続可能な発展に関する予備調査を実施した。
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Research Products
(17 results)
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[Publications] 溝口次夫: "人間活動における環境のプライオリティ"佛教大学社会学部論集. 34. 77-86 (2001)
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[Publications] 溝口次夫: "中国の大気汚染の現状とその改善策"環境と測定技術. Vol.27,No.12. 77-85 (2000)
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[Publications] T.MIZOGUCHI et al: "Cool Biomass Briqueting Process as an Emission Control Technique for Acid Rain Precussors in Chongqing,China"Global Environ.Res.. Vol.4,No.1. 95-102 (2000)
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[Publications] T.MIZOGUCHI et al: "Regional Characteristic of Copper Corrosion Component in East Asia"Acid Rain 2000. (2000)
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[Publications] 溝口次夫: "21世紀の地球環境を左右する中国の大気汚染の現状"地球環境研究センターニュース. Vol.10,No.9. 1-10 (1999)
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[Publications] 溝口次夫: "持続可能な社会と共生思想に関する予備的研究"佛教大学総合研究所報. No.19. 16-17 (2000)
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[Publications] 渡辺征夫,溝口次夫 他: "β線吸収法とハイボリュームエアサンプラー法による都市大気中の浮遊粉じんの測定法の比較"環境化学. Vol.10,No.3. 557-572 (2000)
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[Publications] 満田久義: "オランダ環境報告-環境先進国のエコ・ライフを探る-"佛教大学総合研究紀要. 8. 195-205 (2001)
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[Publications] H.MITSUDA et al: "Environmental Sociology in Japan"Environment & Society. No.16. 2-4 (2000)
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[Publications] 満田久義: "持続可能な社会と地球環境のための研究助成"1998年度研究成果論文集. (1999)
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[Publications] UNESCO: "Enhancing Social Scientific Understanding of Sustainability"The UNESCO-MOST Programme. December 16. (1997)
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[Publications] 満田久義: "日本は持続可能な社会を目指しているか"サイアス. 3月7日号. 72-73 (1997)
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[Publications] H.MITSUDA et al: "Surging Environmentalism in Japan : A Sociological Perspective"International Handbook of Environmental Sociology. (1997)
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[Publications] 満田久義: "環境社会学の国際的動向-欧米の環境社会学- 講座 環境社会学 第1巻"有斐閣. (2001)
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[Publications] H.MITSUDA et al: "ECOLOGICAL MODERNISATION THEORY"Wageningen University Press. (2000)
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[Publications] 満田久義: "環境と社会-果てしなき対立の構図-"ミネルヴァ書房. (1999)
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[Publications] 満田久義,青木康容: "社会学への誘い"朝日新聞社. (1999)