2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12410064
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Research Institution | BUKKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
溝口 次夫 佛教大学, 社会学部, 教授 (20157522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満田 久義 佛教大学, 社会学部, 教授 (60131306)
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Keywords | 持続可能な社会 / 環境先進国 / 環境意識調査 / 佛教 / 環境保全型科学技術 / オランダ環境報告 / ロンボック島 |
Research Abstract |
本研究は3年間にわたり、人文科学領域から持続的な社会を構築するためにはどうすべきか、また、どうあるべきかを考えることを目的とし、次の5課題に取り組んだ。 1.環境関連施設の整備状況と社会制度の調査 ドイツ、オランダ、スウェーデン、イギリス、中国およびわが国の主な都市の環境施設の状況を調査し、併せて市民の環境への行動を調査した。その結果、ドイツが最も環境への意識が強いことが分った。 2.各国学生の環境意識と行動の調査 上記6か国に加えてアメリカ、トルコおよび韓国の学生についてアンケート調査を行った。調査は1か国、100名以上の学生を対象とした。9か国の学生は先進国、中間国、途上国の全てを含んでいるので、この結果からドイツ、スウェーデンは当然であるが、韓国学生の環境への意識が強いのは以外であった。また、これまで同種の調査で中国は除外されていたが、中国の学生を含めたことは大きな意義があると考える。 3.持続可能な社会構築のために科学技術の進歩は常に環境保全をまず考えて進める必要がある。 4.ヨーロッパのジャーナルから約300編の持続可能な社会論の文献解読を行った。オランダ市民の環境意識と持続可能な社会に関する実態調査と、関連して行政・NGO・大学関係者のインタビューを行った。それに基づいて『オランダ環境報告』を新聞、行政機関誌に掲載した。 5.インドネシア・ロンボック島における持続可能な開発の研究を進め、マタラム大学に同プロジェクトを推進する研究センター設立の準備を行った。 以上の研究結果から環境哲学、環境倫理学の立場から考えることが重要であり、特に佛教の教え「足るを知る」の気持ちを常に持てるように幼児期からのしつけ、教育が持続的社会のために不可欠であることを認識した。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] 溝口 次夫: "21世紀の地球環境を左右する中国の大気汚染の現状"地球環境研究センター. Vol.10、No.9. 1-10 (1999)
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[Publications] 溝口 次夫: "石炭燃焼に伴なう大気汚染(SO_2、粉じん)制御技術としてバイオブリケットの開発と実用化-開発途上国での利用を目的として-"環境研究. NO.119. 4-10 (2000)
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[Publications] 溝口 次夫: "地球環境分野の動向-大気圏-"環境システムにおける計測制御自動化の最近の動向. July31. 42-49 (2000)
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[Publications] 溝口 次夫: "地球環境分野の動向-大気-"環境システムにおける計測制御自動化の最近の動向. July31. 143-155 (2000)
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[Publications] 溝口 次夫: "パッシブサンプラーによる室内汚染物質(アルデヒド類)の測定"室内環境学会. Vol.3,NO.2. 142-143 (2000)
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[Publications] 溝口 次夫: "β線吸収法とハイボリュームエアサンプラ法による都市大気中の浮遊粉塵の測定値の比較"環境科学. Vol.3,NO.3. 557-572 (2000)
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[Publications] 溝口 次夫: "中国の大気汚染の現状とその改善策"環境と測定技術. Vol.27, NO.27. 77-85 (2000)
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[Publications] 溝口 次夫: "人間活動における環境のプライオリティ"佛教大学社会学部論集. 第34号. 77-86 (2000)
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[Publications] 溝口 次夫: "大気エアゾルパッシブサンプラーの開発と実用化"「環境衛生工学研究」京都大学環境衛生工学会. Vol.3,No.15. 7-11 (2001)
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[Publications] 溝口 次夫: "国レベルの大気環境常時監視網の課題"酸性雨など環境監視におけるサイティングの重要性講演要旨集. 9-14 (2001)
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[Publications] 溝口 次夫: "永久の社会のための環境問題の認識と行動に関する研究"「環境・政策学会報告要旨集」環境・政策学会. 80-81 (2001)
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[Publications] 溝口 次夫: "持続的社会構築のための環境意識とその行動に関する研究"佛教大学総合研究所紀要. 9号. 1-16 (2002)
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[Publications] 満田 久義: "環境社会学の国際的動向:欧米の環境社会学"講座 環境社会学. 1巻. 117-132 (2001)
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[Publications] 満田 久義: "持続可能な社会と共生思想に関する研究"アサヒビール学術振興財団 研究紀要. 15巻1号. 157-172 (2001)
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[Publications] 満田 久義: "環境社会学の源流と動向:京都環境社会学国際会議を終えて"環境社会学研究. 8巻. 95-104 (2002)
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[Publications] 満田 久義: "オランダ環境報告:環境先進国でのエコ・ライフを探る"佛教大学総合研究所. 8号. 195-205 (2001)
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[Publications] 満田 久義: "環境先進国での環境改革:オランダ報告"国際文化研修. 10巻2号. 10-17 (2002)
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[Publications] 溝口 次夫: "計測工学ハンドブック"朝倉書店. 1530 (2001)
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[Publications] アーネスト・キャレンバッハ著, 満田 久義 訳: "エコロジー事典:環境を読み解く"ミネルヴァ書房. 197 (2001)