2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12410065
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Research Institution | Ritsurneikan University |
Principal Investigator |
辻 勝次 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (60066719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 博美 金沢大学, 法学部, 助教授 (70313624)
村上 文司 釧路公立大学, 経済学部, 教授 (40210017)
湯本 誠 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (00240169)
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Keywords | 職業能力 / 職業経歴 / キャリア / トヨタ / 労働社会学 / 職業社会学 |
Research Abstract |
2002年度は研究の3年目である。主要な活動経過は以下である。 (1)2002年5月4、5日第13回全体研究会 於:立命館大学 「研究の到達点を今年度の研究方針」 (2)2002年10月11〜15日トヨタ・ホワイトカラーについての自宅訪問、面接調査。 26ケースについて各1-2時間の面接を完了。 (3)2003年3月1、2日第14回全体研究会 於:立命館大学 「トヨタ労働者の事例研究」、「中間報告書の構成と執筆分担」 トヨタ・ホワイトカラーの調査から次の所見が得られた。 長期雇用を保障された事務系ホワイトカラーは企業の中核部分となって企業の帰趨を握っている。彼らは入社時点から次長や部長の地位への昇進を目標にして熾烈な競争に耐えながら猛烈に働いている。昇進のときの職業能力は社内外の人脈や情報を掌握できる「コミュニケーション能力」である。昇進に当たっては新しい管理システムを考案したり構築できる企画提案力と実行力が決め手である。かれらはスペシャリストよりもジェネラリストを選好する傾向がある。技術系ホワイトカラーは概ね製品技術、生産技術、(量産)製造技術などの領域や工程の流れ、ないしは振動や燃焼や品質などの現象に即して分けられた相対的に狭い領域で能力を蓄積し、キャリアを継続する傾向がある。彼らには現場へのこだわりがありスペシャリストを選好する傾向がある。 事務分野、技術分野の双方で外部・非正規労働力の進出は急である。正規社員の一部には非正規・派遣社員の能力不足や信頼性への不安から、肉体的また精神的な疲労が蓄積している。
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[Publications] 辻 勝次: "自動車工場の職場革新と新労働組織-トヨタの職場,20年の変遷-"立命館産業社会論集. 38巻・1号. 91-107 (2002)
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[Publications] 村上文司: "「職業・生活」履歴分析の視点と課題"釧路公立大学紀要. 第14号. 7-35 (2002)
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[Publications] 湯本誠: "企業と地域社会-トヨタと地域社会の緊張と妥協-"北爪真佐夫・内田司編『生活の公共性化と地域社会再生』. 43-56 (2003)