2003 Fiscal Year Annual Research Report
現地調査の方法による中世村落・民衆像の再検討-地名資料の収集、可視化と科学的分析
Project/Area Number |
12410090
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
服部 英雄 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (60107521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 継陽 熊本大学, 大学院・社会文化科学研究科, 助教授 (30332860)
春田 直紀 熊本大学, 教育学部, 助教授 (80295112)
榎原 雅治 東京大学, 史料編纂所, 教授 (40160379)
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Keywords | 地名 / 荘園村落 / 差別 / 農業史 / 交通 / 景観 / 旦過 / 阿蘇 |
Research Abstract |
前年に引き続き佐賀県地名地図(背振山中、藤津郡・杵島郡ほか)の作製、熊本県阿蘇地域の荘園故地現地調査、また福岡県の地名DBの校正など資料整理を進めた。分担者、協力者らが各地の現地調査を行った。協力者は愛媛県歴史文化博物館土居聡朋、九州国博準備室東昇、新南陽高校金谷匡人ら中近世史研究者合計5名である。 本年度は最終年度に当たるため、報告書の刊行に主力を注いだ。代表者・服部の研究報告を分冊の形で刊行し、引き続き、各分担者、協力者の論考を刊行した。本冊の目次内容は以下の通り。 服部英雄 旦過・犬の馬場・唐房 榎原雅治 中世地方都市の空間構成--阿弥陀・薬師・旦過・風呂 稲葉継陽 戦国大名領「境目」地域における城と村落--肥後豊福領地域をめぐって-- 春田直紀 阿蘇社領湯浦郷故地の環境利用に関する総合的研究 土居聡朋 伊予国宗昌寺領故地における中世後期景観の復原 原慶三 市と被差別民_出雲国の皮太の事例を中心に 金谷匡人 周防山間地域の戦国社会--「鶴岡系図」を中心として 東昇 愛媛県におけるタンガ地名と四国遍路--「明治十六年字調書」を中心に 山根正明 伊志見郷故地の景観復元 また分冊では 1文永十一年・冬の嵐 2カタアラシの語義と二毛作の起源 3久安四年、有明海にきた孔雀 4鹿ヶ谷事件と源頼朝 5南北朝の内乱と家の交代 6風土と歴史--筑後川下流域のシオ(アオ)灌概 ほかを論じ、風土、地名、歴史の関わりを明らかにした。 以上にみるように地名収集作業の結果、多数の歴史的景観やそこにおける葛藤などを読み解くことができ、歴史蔵の復原が可能になった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 服部英雄: "湯屋・橋寺・井料"日本歴史. 668. 49-64 (2003)
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[Publications] 服部英雄: "原城発掘"日本の時代史. 14. 292-316 (2003)
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[Publications] 稲葉継陽: "中・近世移行期の領域秩序と国郡制"歴史評論. 647. 35-49 (2004)
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[Publications] 稲葉継陽: "兵農分離と侵略動員"日本の時代史. 13. 159-194 (2003)
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[Publications] 榎原雅治: "一揆の時代"日本の時代史. 11. 7-97 (2003)
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[Publications] 春田直紀: "人と自然が織りなす景観と歴史"熊本大学教育学部日本史研究室調査報告書. 15. 2-24 (2003)
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[Publications] 服部英雄: "地名のたのしみ"角川書店. 251 (2003)