2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12410098
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松本 彰 新潟大学, 人文学部, 教授 (50165875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 雅博 青山学院大学, 文学部, 教授 (90181164)
立石 博高 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00137027)
遅塚 忠躬 東京国際大学, 経済学部, 教授 (30083223)
佐々木 真 駒澤大学, 文学部, 助教授 (70265966)
原 聖 女子美術大学, 芸術学部, 教授 (20180995)
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Keywords | 帝国 / 国民国家アイデンティティ / アイデンティティ / 主権 / 帝国主義 / 戦争 / ヨーロッパ / 主権国家 |
Research Abstract |
本年度は、最終年度であり、3年間の成果をまとめるために精力的に努力した。昨年度からひきつづいて、3月から6月まで、各自の研究テーマを確認するため、さまざまな研究会を開き、それをもとに7月、ゲストを交えて、「フランスとスペインにおける帝国と国民国家」についての研究合宿を行った。11月、京都大学西洋史読書会大会記念シンポジウム「歴史としてのヨーロッパ・アイデンティティ-新しいヨーロッパ史像を求めて」に、分担研究者、原聖が報告者として参加したため、分担者全員がシンポジウムに参加、つづけて「ドイツ、イギリスにおける帝国と国民国家」に関する研究会を行った。12月には、日本史研究者をゲストに招き、「ヨーロッパと日本における帝国と国民国家」についての研究会を持った。 今年度、とくに議論された論点としては、1)ヨーロッパでは古代以来の伝統を持つ「帝国」概念が、近代にどのように変容したのか、2)「国民国家」とは、主権、領土、国民を三要素として成立する近代国家概念とどのような関係にあるのか、3)すべての国民に「国家のために死ぬ」ことを強制する20世紀の総力戦は、どのような条件のもとで可能になったのか、4)「帝国」と「帝国主義」の関係、等である。 最近、ノラ『記憶の場所』、リーベン『帝国の興亡』、ネグリ/ハート『帝国』など、重要な本の翻訳が相次ぎ、「帝国と国民国家」をめぐる議論は、新しい段階に入りつつある。その点を確認しつつ、3年間の研究の総括を各自、行い、5月に報告書としてまとめる予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松本 彰: "ドイツにおける二つの世界大戦犠牲者の墓と記念碑"歴史評論. 626. 55-67 (2002)
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[Publications] 佐々木 真: "スペイン継承戦争とフランドル地方"駒沢史学. 59. 82-100 (2002)
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[Publications] 佐々木 真: "709年の危機と王権の対応"駒澤大学文学部研究紀要. 61. 71-32 (2003)
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[Publications] 高澤紀恵: "都市・平和・武器-1614年パリ断章"アジア文化研究. 29. 1-13 (2003)
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[Publications] 立石博高(共著): "スペインにおける国家と地域-ナショナリズムの相克"国際書院. 294 (2002)