2001 Fiscal Year Annual Research Report
欧米史上におけるマイノリティとその迫害・差別・救済の比較史的研究
Project/Area Number |
12410102
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大戸 千之 立命館大学, 文学部, 教授 (30066708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 義明 同志社大学, 文学部, 教授 (70278456)
小田内 隆 立命館大学, 文学部, 教授 (20185606)
高橋 秀寿 立命館大学, 文学部, 教授 (70309095)
佐藤 卓己 国際日本文化研究センター, 助教授 (80211944)
望田 幸男 同志社大学, 文学部, 教授 (40066155)
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Keywords | マイノリティ / 差別 / 迫害 / ユダヤ人 / ジプシー / 少数民族 / 移民 / 同性愛者 |
Research Abstract |
2年目に入った本研究の今年度の課題は、研究に必要な史料の収集を、ひきつづき精力的に進めていきながら、収集しえた史料に基づいて、(1)マイノリティにたいする所属社会の制度、心的態度、行動様式を歴史的に分析し、同時に、(2)マイノリティに固有の文化、生活、人的結合に光をあてながら、それらの特質を考察していくことであった。 研究分担者個人のレヴェルにおいてみるとき、如上の課題について、今年度はかなりの成果をあげることができたと考えている。とくに、前年度やや弱体であった中世史の分野で、2名の研究分担者をあらたに加えることができ、調査・分析の不足を補いえたのは、おおきな前進であった。しかしながら、さまざまな時代・地域に関する各自の事例研究を持ち寄り、つきあわせ、比較・検討の視点を確認し、問題の共通の構造や独自性・特殊性について認識を深めあうという、共同研究としての達成については、依然として所期の目的を充分はたしえていない。研究分担者の個別研究が進むにつれて、検討事項が予想を越えて増大したことが、最大の理由であるが、この点は早急に克服されねばならない。 次年度は最終年度であるので、報告・討議を集中的に行って、総合的な考察をまとめるための論理を構築していきたい。各自の研究成果はあがってきていると思われるので、鋭意議論を重ねていけば、共同研究の実をあげることができるはずである。
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[Publications] 高橋秀寿: "ホロコーストの記憶と新しい美学-ベルリン・バイエルン地区における「反記念碑的記念碑」の試み"立命館 言語文化研究. 13-3. 145-157 (2001)
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[Publications] 望田幸男: "比較と関係の歴史学を求めて-自分史によせて-"文化学年報. 51. (2002)
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[Publications] 今関恒夫: "リチャード・バクスターの『聖なるコモンウェルス』論"聖学院大学総合研究所紀要. 22. (2002)
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[Publications] 中井義明: "ギリシア人とリュディア人"社会科学(同志社大人文研). 68. 27-48 (2002)
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[Publications] 中井義明: "アリステイデスの査定"文化学年報. 51. 22-44 (2002)
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[Publications] 山田史郎: "イタリア人に生まれて-R.J.ヴェコリのアメリカ移民史研究とエスニシティ-"社会科学(同志社人文研). 68. 49-66 (2002)
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[Publications] 石坂尚武: "中世・ルネサンス時代におけるイタリア諸都市の新年の開始時期について-A・カッペッリの研究より-"文化史学. 57. (2001)
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[Publications] 石坂尚武: "14世紀黒死病時代の説教例話-13世紀例話と中世カトリシズムから見る-"人文学. 171. (2002)
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[Publications] 望田幸男: "近代ドイツ=資格社会の展開"名古屋大学出版会. (2002)
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[Publications] 中井義明(編): "ローマと地中海世界の展開-浅香正先生喜寿記念論集-"晃洋書房. (2001)