2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12410110
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
井上 史雄 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (40011332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆 東北大学, 文学部, 助教授 (00161993)
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Keywords | 東北方言 / グロットグラム / 言語変化 / 方言伝播 / 計量方言学 |
Research Abstract |
本研究では、現代東北方言の動態に着目して総合的な実態調査を行う。また過去の方言資料・国語史的資料とも関係づけて、東北方言の歴史的発展過程について理論的整備を図る。 線状の地域で年齢別にことばを調べて図化する「グロットグラム」(地理×年齢図)の手法は、現在進行中の言語変化を知るのに最適の手法であり、今は日本列島を縦断して関東から九州まで延長された。しかし福島県以北は残されており、北方への伝播の様子は未解明である。今回共同研究によって、宮城・岩手・青森へと延長して、本土全体の方言伝播パターンを一望の元に収めるのが主目的である。 第1年度は、異なった機関に属していた研究者が、多様な研究手法を統一するてだてについて打合せを行った。また、項目選定のための準備調査を行う。これまで各分担者・協力者が隣接地域で使っていた調査票を用い、宮城・岩手・青森の数箇所ずつで予備調査を行い、小規模なグロットグラムを作成した。これにより、各分担者のかつての成果をより広い地域差のもとに再考察している。また本調査に値する項目を厳選している。 次年度までに、本調査用の調査票を完成させる。準備調査に基づき。使用予想語形には前もってコード番号をふっておき、のちの現地調査・コンピュータ入力の能率向上に役立てる。 グロットグラム(地理×年齢図)調査は、地点あたりのインフォーマントの数が多いだけに、人探しに手間がかかる。また地元の人の協力が欠かせない。従って第1年度には、地元教育委員会・商店会・神社・寺などと連絡をとり、協力体制を十分に整える。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 井上史雄: "言語変化の構造"別册国文学. 53. 180-183 (2000)
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[Publications] 井上史雄: "音声研究の課題日本語方言学"音声研究. 4-3. 12-15 (2000)
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[Publications] 井上史雄: "<日本の方言探訪>「山形編」"言語. 30-1. 29 (2001)