2002 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀英語圏文学における「イギリス文学」「アメリカ文学」概念の変容
Project/Area Number |
12410119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 元幸 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (90170901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 洋一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20126014)
高橋 和久 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10108102)
平石 貴樹 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10133323)
HUGHES G. E. H 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 客員教授 (10281700)
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Keywords | 英語圏文学 / イギリス文学 / アメリカ文学 |
Research Abstract |
本研究によってこれまで得られた知見に基づき、本年は各人が論文・著書等の形で成果を発表し、学会内外において成果の社会的還元に努めている。柴田、平石はポストコロニアリズム以降の視点を加味しつつ、いわばアメリカ内部におけるポストコロニアル文学の代表格ともいうべきレイモンド・カーヴァーについて論文を執箪し(印刷中)、また柴田は、アメリカ文学における「愛」の変遷をたどった論文において古典的なアメリカ文学像の特異性を論じた。またHughesは著書Reading Novels(Vanderbilt UP)において,従来の「イギリス文学」「アメリカ文学」像を超えた視点からの、学会内における貢献のみならず一般的啓蒙にも供するところの大きい、新しい英語圏文学像を提示し、またその新しい読解方法を体系的に示唆した。高橋は主としてイギリス・モダニズム小説に関し、また大橋は主としてシェークスピア、批評理論に関し、本研究において得た知見に基づいて新しいパースペクティブからの研究成果を現在まとめている最中である。柴田はまた、本研究のテーマを、従来からの研究テーマである「翻訳」とも絡めて考察して学会発表を行ない、さらに、研究対象である作家(Rebecca Brown, Barry Yourgrau)の来日の際には、討論、研究会などを主催して、作家の側から見た新しいアメリカ文学像を探った。これらの成果についても、学会誌、文芸誌などにおいて公表の予定である。
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Research Products
(2 results)