2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12430017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡崎 哲二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90183029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 尚史 埼玉大学, 経済学部, 助教授 (60262086)
中林 真幸 千葉大学, 法経学部, 助教授 (60302676)
谷本 雅之 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10197535)
内藤 隆夫 北海道大学, 経済学部, 助教授 (60315744)
橋野 知子 駒沢大学, 経済学部, 助教授 (30305411)
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Keywords | 制度 / 生産組織 / 歴史 |
Research Abstract |
本プロジェクトでは、経済史上見られた生産組織の多様性に着目し、それぞれの効率性をそれが置かれた歴史的・制度的文脈をふまえて理論的・実証的に検討している。各研究者がそれぞれのテーマについて研究を進め、その成果を毎月研究会で報告してきた。日本で広く見られた問屋制による生産組織については、橋野知子が桐生における織物工場の経営文書を用いて、工場制への移行の要因を市場と技術の両面から検討している。同じく問屋制について谷本雅之は、従来注目されることが少なかった都市小工業を対象としてそれが存続した社会的基盤を検討した。 一方、企業内の組織については中村尚史が、日本鉄道株式会社の従業員データベースを構築し、20世紀初めにおける同社の組織改革の成功を支えた人的条件について検討した。また、岡崎哲二は、戦時期の日本で広く普及した産業報国会に着目し、それが争議防止と生産性に与えた効果について数量的に分析している。一方、中林真幸を中心とする何人かの本プロジェクトメンバーが、戦前日本の地主制の再検討に着手している。地主制については非常に多くの研究蓄積があるが、近年の契約理論の発展をふまえて、地主制の農業生産・投資に対するインプリケーションをあらためて理論的・実証的に分析することを意図したものである。
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Research Products
(28 results)
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[Publications] 中村尚史: "近代日本における鉄道と時間意識"橋本毅彦・栗山茂久編『遅刻の誕生』. 17-45 (2001)
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[Publications] 中村尚史: "明治期三菱の有価証券投資"三菱資料館編集. 2. 69-134 (2001)
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[Publications] 内藤隆夫: "近代の石油産業における流通チャネル研究のための基礎資料(1)"経済学研究(北海道大学). 51・4(未定). (2002)
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[Publications] Masaki Nakabayashi: "The Institutions of "Advances on documentary bills" during the rise of silkreeling industry"Japanese yearbook on business history. 18(近刊).
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[Publications] Masahiro Okuno, Fujiwara: "Social Relation and Endogenius Culture"Japanese Economic Review. 53(1). 1-24 (2002)
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[Publications] 奥野正寛: "情報化とデジタル化・電子化社会"情報化と経済システムの転換(奥野正寛他編、東洋経済新報社). 3-40 (2001)
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[Publications] 池尾和人: "情報化と金融仲介"情報化と経済システムの転換(奥野正寛他編、東洋経済新報社). 145-169 (2001)
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[Publications] 池田信夫: "IPV6は必要か"経済産業研究所ディスカッションペーパー. 1-16 (2001)
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[Publications] 池田信夫: "インターネットによる情報通信産業の垂直非統合"経済産業研究所ディスカッションペーパー. 1-22 (2001)
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[Publications] 池田信夫: "インターネットによる情報通信産業の垂直非統合"情報化と経済システムの転換(奥野正寛他編、東洋経済新報社). 97-123 (2001)
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[Publications] 池田信夫: "デジタル化・モジュール化・カプセル化"デジタル化時代の組織革新(尾高煌之助他編、有斐閣). 15-45 (2001)
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[Publications] 池田信夫: "情報通信産業の構造変化と競争政策"IT革命と競争政策(後藤晃他編著、東洋経済新報社). 51-68 (2001)
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[Publications] 池田信夫: "ディジタル化とモジュール化"モジュール化(青木昌彦他編著、東洋経済新報社). 103-124 (2002)
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[Publications] 瀧澤 弘和: "モジュール化の非インセンティブ理論"情報化と経済システムの転換(奥野正寛他編、東洋経済新報社). 69-93 (2001)
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[Publications] 瀧澤 弘和: "モジュール化とデザイン組織の分割"東洋大学経済論集. (forthcoming). (2002)
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[Publications] Hirokazu Takizawa: "Coordination Costs and the Optimal Partition of a Designing Organization"Working Paper Series No.25, The Center for Research of Global Economy, Toyo University. (2002)
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[Publications] Masahiko Aoki: "Incentives and Option Value in the Silicon-Valley Tournament Game"RIETI Discussion Paper Series 002-E-001. (2002)
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[Publications] 堀 宣昭: "企業のライフサイクルと日本の労働市場"グローバル化と金融・経済政策(堀江康熙編、九大出版会)(発行予定). (2002)
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[Publications] 堀 宣昭: "ソフトな予算制約問題"戦後日本の資金配分 産業政策と民間銀行(岡崎哲二他、東京大学出版会). 353-357 (2002)
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[Publications] 堀 宣昭: "マクロ経済の外部性と期待のコーディネーション"戦後日本の資金配分 産業政策と民間銀行(岡崎哲二他、東京大学出版会). 362-372 (2002)
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[Publications] 堀 宣昭: "金融抑制"戦後日本の資金配分 産業政策と民間銀行(岡崎哲二他、東京大学出版会). 373-378 (2002)
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[Publications] 柳川 範之: "情報技術の発展と経済活動"情報化と経済システムの転換(奥野正寛他編、東洋経済新報社). 41-67 (2001)
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[Publications] 柳川 範之: "ゲーム産業はいかにして成功したか-アーキテクチャ競争の役割"モジュール化、新しい産業アーキテクチャの本質(青木昌彦他編著、東洋経済新報社). 145-168 (2002)
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[Publications] 浜屋 敏: "著作権の経済学的分析に関する文献レビュー"富士通総研レポート. (発行予定). (2002)
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[Publications] 岡崎哲二他: "戦後日本の資金配分"東京大学出版会. 452 (2002)
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[Publications] 岡崎哲二: "戦後日本の資金配分 産業政策と民間銀行"東京大学出版会. 464 (2002)
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[Publications] 奥野 正寛(編著): "情報化と経済システムの転換"東洋経済新報社. 299 (2001)
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[Publications] 池田 信夫: "ブロードバンド戦略 勝敗の分かれ目-情報通信社会主義の崩壊-"日本経済新聞社. 248 (2001)