2000 Fiscal Year Annual Research Report
多主体複雑系として見た経営組織とそのマネジメントの研究
Project/Area Number |
12430026
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高木 晴夫 慶應義塾大学, 大学院・経営管理研究科, 教授 (20118962)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺野 隆雄 筑波大学, 社会理工学系, 教授 (20227523)
木嶋 恭一 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (10134826)
出口 弘 京都大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60192655)
奥田 栄 人間環境大学, 人間環境学部, 教授 (10160805)
根来 龍之 文京大学, 情報学部, 教授 (70189364)
|
Keywords | 自律エージェント / 行為ルール / 自律分散系 / 多主体複雑系 / 相互参照 / 事業モデル / ネットコミュニティ |
Research Abstract |
本年度の研究実績は大きく3つに分けてその概要を述べることができる。第一に、合理的で完備情報の世界ではなく、学習(進化)し行為ルールを変化させる自律エージェントの集団として組織や経済、社会システムを分析した。そこでは社会のマクロ的機能要件の充足とミクロのエージェントからのボトムアップローチを併わせた複雑適応系や創発性科学の応用としての目的も持った。さらに、複雑系としての経済学の理論モデルの構築とバーチャル経済のシミュレーションモデル、中小企業集積上の自律分散的な産業構造のデザインの研究も行った。第二は、「関係当事者の相互参照のモデル化」を方法論として、次の3つの研究を行った。ネットビジネスの研究として、オープンソースへの参加メカニズムの解明や、ネットコミュニティ(掲示板)の特性調査、サプライチェーンの関係マネジメントの研究として、サプライ主体間の「事業モデル」の相互参照による「関係の調整」を理論化を試みた。企業間連携に関する研究として、水平連携、越境連携、垂直連携、階層連携をデル化して分析した。第三は、エグゼクティブの役割と中間管理職の役割を区別し、エグゼクティブに必要な情報を「インテリジェンス」とし、中間管理職に必要な「インフェメーション」と区別し、両者の間の関係について考察した。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 出口弘: "複雑系のシステム理論とエージェント指向アプローチ-マルチディシプリナリ領域での科学革命-"社会経済システム学会誌. 19. 69-78 (2000)
-
[Publications] 出口弘: "集合論的不確定指示子による理論間関係の論理分析"科学基礎論研究. 95. 23-29 (2000)
-
[Publications] 出口弘: "組織理論におけるエージェントベースアプローチ"組織科学. 34・2. 11-22 (2000)
-
[Publications] 木嶋恭一: "多主体複雑系のフォーマルモデル-ハイパーゲーム分析とソフトゲーム・ドラマ理論"組織科学. 34・2. 69-79 (2000)
-
[Publications] 根来龍之: "「空間市場」化によるビジネス形態変化の分析フレームワーク-製薬医療産業を事例とした検討-"経営情報学会誌. 9・2. 7-34 (2000)
-
[Publications] 根来龍之: "インターネット・プラットフォームビジネスの産業発展への貢献-情報交換・知識化モデルによる事業分類-"経営情報学会誌. 9・3. 67-87 (2000)
-
[Publications] 出口弘: "複雑系としての経済学"日科技連・出版. 506 (2000)
-
[Publications] 高木晴夫: "企業維新:ネットワークリーダーシップが組織を変える"ダイヤモンド社. 208 (2000)