2003 Fiscal Year Annual Research Report
多主体複雑系として見た経営組織とそのマネージメントの研究
Project/Area Number |
12430026
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高木 晴夫 慶應義塾大学, 大学院・経営管理研究科, 教授 (20118962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺野 隆雄 筑波大学, 社会理工学系, 教授 (20227523)
木嶋 恭一 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (10134826)
出口 弘 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60192655)
奥田 栄 人間環境大学, 人間環境学部, 教授 (10160805)
根来 龍之 早稲田大学, 商学部, 教授 (70189364)
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Keywords | 自律的エージェント / 多主体複雑系 / エージェントベースアプローチ / ケースメソッド / 文理融合 |
Research Abstract |
平成15年度は研究期間の最終年度にあたることから、本年度として行うべき研究と同時に、総括としての作業を行った。本年度としての研究は、経営組織を自律的エージェントからなる多主体複雑系として捉える立場からそのマネジメント原理を解明し、事例分析を行い、シミュレーション解析することの継続である。具体的な研究成果は次の3点である。第一に、前年に引き続きエージェントベースアプローチの社会科学領域での有効性の議論をさらに深めたことである。この議論が本年の総括的な意義を持ち、後に述べる科学研究費成果発表会での重点的なテーマとなった。第二は、これも前年において研究重点を置いたオープン経営での多主体複雑系アプローチの重要性の更なる吟味であった。特にインターネット上でのビジネス取り引きに焦点を当てた。第三は、同じく事例を用いる経営教育でのケースメソッド授業の重要性の確認が行われた。以上に加えて最終年度としての総括のために成果発表会を行った。エージェントベースアプローチが世界的に社会科学の一つの大きな流れに育とうとしている中、今後日本でもエージェント社会科学の発展のために手法や理論の発展と普及、特定領域研究の立ち上げ、国際学会への対応などが進んでいくことが予想される。そのような中、エージェントベース社会科学の研究ミッションを明確にし、文理融合型の研究プログラムを共有していくことが重要であることを主張した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 高木晴夫: "経営能力の育成に向けて-ケースメソッドの果たす役割とその教育方法-"経営情報学会誌. Vol.12, No.1. 79-84 (2003)
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[Publications] Deguchi, H.: "Agent-Based Modeling Meets Gaming-simulation : A Perspective to the Future collaboration"ISAGA 2003 Proceedings. 1173-1182 (2003)
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[Publications] 出口弘: "社会学習動学と組織社会学習のリサーチプログラム"進化経済学会論集. 第7集. 384-393 (2003)
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[Publications] 寺野隆雄: "Web上の情報推薦システム"情報処理. Vol.44, No.7. 696-701 (2003)
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[Publications] 根来龍之, 門脇俊二: "B2Cネットビジネス差別化におけるネット特徴要因の影響力"経営情報学会誌. Vol.12, No.1. 33-35 (2003)
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[Publications] 根来龍之, 伊藤賢次: "規格製品のオープン化が関連Webの構造と発達に与える影響:日本のPDA3規格の関連Webの比較"経営情報学会誌. Vol.11, No.4. 47-78 (2003)
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[Publications] 寺野隆雄(監訳), 奥田, 木嶋, 高木, 出口, 寺野, 根来(訳): "対立と協調の科学(Axelrod, R. : The Complexity of Cooperation, Princeton University Press,1997)"ダイヤモンド社. 306 (2003)