2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12440042
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坂口 茂 愛媛大学, 理学部, 助教授 (50215620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池畠 優 群馬大学, 工学部, 助教授 (90202910)
橋本 貴宏 愛媛大学, 理学部, 助手 (60291499)
柳 重則 愛媛大学, 理学部, 助教授 (10253296)
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Keywords | 熱方程式 / ホットスポット / 等温面 / 空間臨界点 / 球面 / 双曲空間 / 初期斉次デリクレ問題 / 対称性 |
Research Abstract |
1.一般次元の球面および双曲空間上の熱方程式の初期値問題に対して、解が不変な空間臨界点をもつことと初期値がその点についてバランス法則を満たすこととが同値であることを示した。また、有界領域における初期斉次デリクレ境界値問題において測地球や点対称な領域の不変な空間臨界点による特徴付けを得た。 2.熱方程式の解のホットスポット(各時刻において解の最大値を与える点)に関して、ChamberlandとSiegel(1997)の予想がある。ユークリッド空間の原点を含む有界凸領域Ωにおいて初期-斉次デリクレ問題を考え、初期値として正定数を与えるとき、その予想は、『もし原点が常にホットスポットならば、領域Ωは、直交群のあるessentialな部分群Gの作用について不変である』というものである。この予想について、空間次元が2のとき、つぎの2つの肯定的定理を得た。(a)有界凸領域Ωを三角形に限るとき、もし原点が常にホットスポットならば、領域Ωは、原点を中心とする正三角形に限る。(b)有界凸領域Ωを凸四角形に限るとき、もし原点が常にホットスポットならば、領域Ωは、原点を中心とする平行四辺形に限る。 3.熱方程式の解の等温面に関して、Klamkin(1964)の予想があった。ユークリッド空間の有界領域Ωにおいて初期斉次デリクレ問題を考え、初期値として正定数を与えるとき、この予想は、『もし各時刻で等温面たちが、全体として時刻について不変ならば、Ωは球に限る。』というものであったが、これはAlessandrini(1990)によって肯定的に解決された。そこで、一つの等温面が時刻について不変であるときどのようなことが起こっているかという問題が生ずる。このことについて、『上記の初期斉次デリクレ問題を有界凸領域Ω上で考える時、もし一つの等温面が時刻について不変であるならば、Ωは球に限る。』という定理を得た。
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Research Products
(1 results)