2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波広帯域分光観測による宇宙初期の星生成史の解明
Project/Area Number |
12440056
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Research Institution | THE INSTITUTE OF SPACE AND ASTRONAUTICAL SCIENCE |
Principal Investigator |
松原 英雄 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助教授 (30219464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 宏 国立天文台, 天文機器開発実験センター, 助教授 (90192749)
川良 公明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50292834)
松浦 周二 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (10321572)
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Keywords | ミリ波分光 / 初期宇宙 / 赤方偏移 / 原始銀河 |
Research Abstract |
本研究の目的は、初期宇宙でまさに形成期の銀河である可能性の高いサブミリ波天体の赤方偏移量を決めるための、広い波長域を同時に分光できる高感度ミリ波分光装置(波長1-1.5mm)を開発することである。この研究開発は、米国NASA/ジェット推進研究所・カルフォルニア工科大学との共同研究である。 平成14年度は、日本側では分光光学系及び装置全体をおさめ冷却するためのクライオスタットの性能評価を行い、最終的に熱負荷のない状態で4日以上の保持時間という良好な性能を確認した。完成したクライオスタットは、米国カルフォルニア工科大学に輸送し、米国で並行して開発中の3He冷凍機などの試験に供された。分光光学系については昨年に引き続き、導波板結合型回折格子を利用した分光系の設計をすすめ、スケールモデルによる8GHz帯での効率や分光性能の測定を行った。分光系・検出器系の開発に遅延が見られ、最終的な装置のインテグレーションは平成15年度に実施される。 これらの開発と並行して、サブミリ波天体の近赤外波長での同定を行うため、国立天文台すばる望遠鏡(米国ハワイ州)の共同利用観測を2晩行い、良質なデータを取得した(旅費は国立天文台負担)。また7月に米国ハワイ州のマウナケア山天文台の一つCFHTにおいて可視光撮像観測も行ったが天候にはめぐまれなかった。このように開発研究はまだ継続しているが、現時点での達成点を研究成果報告書に近日中にとりまとめ公表する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ishihara, D., Wada, T., Watarai, H., Matsuhara, H.他7名: "Evaluation of the Mid-and Near-Infrared Focal Plane Arrays for Japanese Infrared Astronomical Satellite ASTRO-F"Proc.of SPIE. 4850. 1008-1019 (2003)
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[Publications] Kim, W, Matsuhara, H.他5名: "Imaging Performance of Near Infrared (NIR) Channel Infrared Camera (IRC) on board ASTRO-F"Proc.of SPIE. 4850. 202-208 (2003)
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[Publications] Wada, T., Matsuhara, H.他11名: "Infrared Camera (IRC) on board ASTRO-F"Proc.of SPIE. 4850. 179-190 (2003)
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[Publications] Sato, Y., Matsuhara, H.他5名: "Mid-infrared Identification of Faint Submillimeter Sources"The Astrophysical Journal. 578. L23-L26 (2002)