2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12440064
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
延與 秀人 理化学研究所, 放射線研究室, 主任研究員 (30213606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 春彦 京都大学, 理学研究科・物理学宇宙物理学専攻, 助手 (00283581)
小沢 恭一郎 東京大学, 理学部・CNS, 助手
斉藤 直人 理化学研究所, 放射線研究室, 副主任研究員 (20321763)
村上 哲也 京都大学, 理学研究科・物理学宇宙物理学専攻, 助手 (50219896)
千葉 順成 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50126124)
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Keywords | φ粒子 / カイラルシンメトリー / 核物質 / 媒質効果 / 不変質量分布 / 電子陽電子対 |
Research Abstract |
我々が普通知っている素粒子の質量、崩壊幅といった性質は自由空間(温度T=0,密度ρ=0)で決まっているものであり、有限密度、有限温度の核物質中に置かれた素粒子の性質は自由空間とは異なったものになっていると考えるのが自然である。本研究では核内で崩壊するφの崩壊比および不変質量を測定しchiral symmetry restorationで記述できるような核物質効果が存在するか否かを実験的に検証することを目的としている。素粒子に質量を与える機構「カイラル対称性の自発的破れおよびその回復」を核物質中での素粒子の振舞を通じて研究するという、実験的にまったく新しい分野を開くことが狙いである。 今年度2月から3月25日にかけて最後のビームタイムがスケジュールされ、これによりデータの取得は終了する。解析も順調に進展しており、今年度5月には98年までのデータから得られた電子陽電子スペクトラムをPhysical Review Letterに公表したほか、いくつかの国際会議で報告した。このスペクトラムにはρ・ωメソンの核内マスシフトに起因する不変質量分布の変化が見出されており、国際的にも注目を浴びている。K中間子対スペクトラムは2000年までのデータ解析がほぼ終了し投稿準備中である。 実験的には、前述の興味深いスペクトラムの測定精度をあげるべく、バーテックスチェンバーを急遽製作し、今年度のランより投入した。来年度中に最終データをまとめ、φ中間子の不変質量分布を公表する予定である。
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[Publications] K.Ozawa et al.: "Measurements of Mass Modification of Vector Mesons in Nuclear Matter"Soryushiron Kenkyu(Kyoto). 5. 102-105 (2001)
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[Publications] K.Ozawa et al.: "OBSERVATION OF p/ω MESON MODIFICATION IN NUCLEAR MATTER"Phys. Rev. Lett.. 86・22. 5019-5022 (2001)
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[Publications] 延與秀人: "強い相互作用のもたらす質量の謎を追って"高エネルギーニュース. 20・4. 184-188 (2001)