2000 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算による遷移金属-ZnO系透明強磁性体の物質設計
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12440089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 博 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30133929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 光雲 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60178647)
播磨 尚朝 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50211496)
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Keywords | ZnO / 第一原理計算 / 抵抵抗p型化 / 同時ドーピング / マテリアルデザイン / 磁性半導体 / 補償機構 |
Research Abstract |
第一原理計算により、スーパーセル法を用いてZnOのp型やn型ドーパントの補償機構の解明をおこなった。その結果、ドナーであるGa,Al,InとアクセプターであるNを1:2の比で同時ドーピングをおこなうとZnOにおいて、Ga,Al,およびInドナーとNアクセプターとの同時ドーピングによる抵抵抗p型化のためのマテリアルデザインを第一原理計算に基づいておこなった。GaドナーとNアクセプターを1:2で同時ドープすると、準安定なN-Ga-N複合体がZnO中に形成される。N単独ドーピングの場合は、アクセプターの波動関数はN原子位置に強く局在し、深いアクセプター準位(300meV)を形成するが、N-Ga-N複合体が形成されるとNとGaの波動関数との強い混成により、Nアクセプター準位はエネルギーの低い方にシフトして波動関数は広がる。さらに、Nアクセプターによる不純物バンドの幅が増大し、アクセプターの有効質量は軽くなる。Gaの単独ドーピングではマデルングエネルギーが低下し、Nでは上昇して、単極性が生じる。これに対して、同時ドーピング法により、N-Ga-N複合体が形成されると、マデルングエネルギーは大きく減少し、高濃度までNアクセプターをドープすることが可能となる。 実験的には、マテリアルデザインに基づいて、レーザーMBE法によりECR励起したN_2OとGa_2O_3を同時ドーピング源として抵抗率が2Ωcm、キャリアー濃度が4x10^<19>cm^<-3>の低抵抗p型ZnOを作製することに成功した。これにより、p型、n型の価電子制御が可能となり、遷移金属磁性イオン間のスピン相互作用を制御することが可能となった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] H.Katayama-Yoshida and T.Yamamoto: "Theoretical Prediction for Codoping Properties in Wide Band-gap Semiconductors [Invited Paper]"Jpn.J.Appl.Phys.(ICTMC-12,Taiwan,2000). (To be published).
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[Publications] H.Katayama-Yoshida,K.Sato,and T.Yamamoto: "Materials Design for the Low-Resisitivity p-type ZnO and Transparent Ferromagnet with Transition Metal Atom Doped ZnO : Prediction vs.Experiment.[Invited Paper]"MRS Symposium Proc.. Vol.623. 65-75 (2000)
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[Publications] T.Yamamoto and H.Katayama-Yoshida: "Control of Valence States in ZnO by Codoping Method.[Invited Paper]"MRS Symposium Proc.. Vol.623. 223-234 (2000)
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[Publications] K.Sato and H.Katayama-Yoshida: "Material Design for Transparent Ferromagnets with ZnO-based Magnetic Semiconductors"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.39 No.6B. L555-L558 (2000)
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[Publications] K.Shirai and H.Katayama-Yoshida: "Effects of the Geometricies of Boron-Rich Crystals on the Lattice Dynamics"J.Solid State Chemistry. 154. 20-25 (2000)
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[Publications] 吉田博,佐藤和則,加藤竜次,山本哲也: "解説「ワイドギャップ半導体の新しい価電子制御法:予測と実験」"まてりあ. 第39巻第9号. 749-756 (2000)
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[Publications] 吉田博,佐藤和則,加藤竜次,山本哲也: "解説「熱非平衡結晶成長における同時ドーピング法による新しい価電子制御法とスピン制御法」"日本結晶成長学会誌. 第27巻第4号. 232-240 (2000)
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[Publications] 吉田博(共著): "新しい放射光の科学〜内殻励起が拓く新物質科学〜"講談社. 244 (2000)