2000 Fiscal Year Annual Research Report
極低温走査トンネル顕微鏡によって作られる金属ナノワイヤーの量子化された電気伝導
Project/Area Number |
12440097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小森 文夫 東京大学, 物性研究所, 助教授 (60170388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中辻 寛 東京大学, 物性研究所, 助手 (80311629)
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Keywords | 原子ワイヤー / 量子化電気伝導度 / ポイントコンタクト / 走査トンネル顕微鏡 / 極低温 |
Research Abstract |
本研究では、清浄な金属表面を超高真空中で作製し、その表面と走査トンネル顕微鏡の探針との間に形成される各種金属細線の電気伝導を2Kから室温までの広い温度範囲で測定し、物質依存性と不純物の効果を明らかにすることを目標としている。そこで、本年度は、現有の極低温走査トンネル顕微鏡の改良を行った。超高真空中で単結晶試料および探針の表面清浄化が、超高真空容器内でアルゴンイオンスパッターと加熱を繰り返すことにより行うことができるように、電子ビーム加熱装置を消耗品を用いて作製した。これによって、最高1200℃の試料加熱ができるようになり、パラジウムやプラチナなど高融点の金属の表面清浄化ができるようになっった。また、探針ホルダーを超高真空中で搬送する機構を消耗品を用いて作製した。これにより、試料加熱と同じ装置で、探針先端を加熱することができるようになった。一方、新たに極低温走査トンネル顕微鏡本体の設計および製作を行っている。これまでの研究に用いていた装置と異なり、試料表面と探針との距離の粗動にピエゾ素子を用いた直線モーター使用し能率よく実験ができるような設計とした。現在、超高真空中での配線を行っており、STM本体を装着するところである。 鉄金属薄膜を用いて金属ナノワイヤーを作製する研究では、電気伝導度の磁場依存性の詳しいデータをとり解析を行った。磁場変化によって電気伝導度が急激に変化する場合が観測されたが、その原因が磁気抵抗効果なのか磁歪効果なのかについては結論が出ていない。
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Research Products
(1 results)