2001 Fiscal Year Annual Research Report
パルス強磁場と超高圧及び極低温を組み合わせた磁化測定法の開発
Project/Area Number |
12440102
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金道 浩一 大阪大学, 極限科学研究センター, 助教授 (20205058)
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Keywords | 強磁場 / 極低温 / 高圧 / 磁化 / パルスマグネット |
Research Abstract |
パルス強磁場と希釈冷凍機を組み合わせた磁化測定により様々な成果が得られつっある。量子スピンや強相関伝導系物質で見られる量子現象は極低温においてその発現が顕著となる。例えば、ハルデン物質が示す磁場中磁気秩序状態、スピンギャップ系における非磁性状態及び磁化プラトーそしてヘビーフェルミオン物質が示す非磁性状態などの観測には極低温条件が必要である。具体的には、ハルデン物質NDMAZの磁場中磁気秩序状態における磁化過程を測定して磁気相図の作成を行った。また、スピンギャップ系物質SrCu_2(B0_3)_2の磁化プラトーを極低温で観測して、1/8,1/4,1/3プラトーの存在を明確に示した。強相関伝導系物質Ybモノプニクタイドでは、磁化過程に異常が観測されており、Ceモノプニクタイドとの関連を調べている。高圧下の磁化測定に関しては、金属製の高圧セルを非金属にすることが課題であるが、現在は高強度繊維に上り補強したセルとセラミクス製セルとを検討している。また、マグネットの開発では次の二点が新たな知見として得られた。ひとつは、同じコイル線材を使い、同じ層数で巻いたコイルは内径が小さいほど発生限界磁場が上昇するものの、内径が線材の厚みで決まる特徴的な長さ以下になるとむしろ下降する傾向が見られることである。もうひとつは、同じ線材を使い、同じ内径で巻いたコイルは層数が増加するほど発生限界磁場の上昇が認められるものの、線材の厚みと内径で決まる特徴的な層数を越えるとむしろ下降する傾向が見られることおよびその場合はコイルの変形が最内層から外側へとシフトすることが分かったことである。これらの結果を検討することで、より強い磁場をより安定的に発生することが可能になると期待できる。
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[Publications] Y.Narumi: "Evidence for the singlet-dimer ground state in an S=1 antiferromagnetic bond alternating chain"Phys.Rev.Lett.. 86. 324-327 (2001)
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[Publications] S.Maruyama: "Susceptibility, magnetization process and ESR studies on the helical spin system RbCuCl3"J.Phys.Soc.Jan.. 70. 859-865 (2001)
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[Publications] M.Hagiwara: "High-field magnetization of an S=1/2 F-F-AP-AF tetramer chain"Physica B. 294・295. 30-33 (2001)
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[Publications] Y.Narumi: "High-field magnetization measurements on single crystals of(VO)2P2O7"Physica B. 294・295. 71-74 (2001)
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[Publications] K.Kindo: "100T magnet developed in Osaka"Physica B. 294・295. 585-590 (2001)
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[Publications] T.C.Kobayashi: "Field-induced long-range ordering in Haldane gap system NDMAZ"J.Phys.Soc.Jpn.. 70. 813-817 (2001)