2000 Fiscal Year Annual Research Report
時分割測定によるヌクレオチド結晶の一次相転移の時間展開の解析
Project/Area Number |
12440108
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
菅原 洋子 北里大学, 理学部, 教授 (10167455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
占部 久子 東京家政学院大学, 家政学部, 助教授 (00193970)
山村 滋典 北里大学, 理学部, 助手 (40286373)
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Keywords | ヌクレオチドチオ結晶 / 一次相転移 / 結晶水 |
Research Abstract |
核酸の構造の保持に水和水は重要な役割を担っているが、核酸の構成単位であるヌクレオチドの結晶においても、水蒸気圧に依存し結晶水数の変化が生じ、水素結合網の再編を伴った一次相転移が引き起こされる。相転移に伴う格子定数のみかけの変化が連続な系と不連続な系がある等、その相転移機構には興味が持たれる。そこで、単結晶状態を保持して相転移が進行するNa_2ATP等の系を対象とし、構造変化の時間展開の詳細を明らかすることを目的とし、平成12年度においては、 1.本研究費により導入した2次元検出器を用い、Na_2ATP結晶について、2水和物と3水和物の中間状態にあたる中湿度領域(相対湿度30〜40%)での回折X線強度測定を行った。b軸長が3倍に対応する超格子反射が観測されるとともに、一部の反射に、a^*軸方向へのスポットの広がりが観測された。今後、これらの現象の詳細について解析をすすめていく予定である。 2.Na_2IMPの相転移機構の解析の第一歩として相対湿度80%以上の領域で安定な構造と相対湿度50%前後領域で安定な構造の解析を行い、格子定数、結晶水数、および結晶構造の差異を検討した。結晶水の離脱に伴いNa^+および結晶水の再配置が起こり、空間群がP21よりC2221に変化するが、格子定数の変化率は他の系と比べ小さいという結果が得られた。 3.Na_2UMP,Na_2IMPについて結晶化条件の検討を行い、偏光ラマン測定を行うに十分な大きさをもった単結晶を得た。フォノンの解析を予定している。
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