2000 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ酸塩メルト(マグマ)の高温高圧下その場X線構造解析
Project/Area Number |
12440117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
船守 展正 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (70306851)
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Keywords | ケイ酸塩メルト / 高温高圧下X線回折 |
Research Abstract |
4年計画の初年度にあたる本年度は、ケイ酸塩メルト(マグマ)のX線回折構造解析実験を行うための準備作業にあてられた。 実験成功の鍵を握るのは、メルトを高温高圧下に安定に保持するためのセルの作成であるが、当初の計画通り、本補助金で金属部品精密加工用に顕微YAGレーザー加工機を設計・導入した。特別仕様であるために納品が遅れ、現在立ち上げ作業中であるが、金属部品精密加工の目処が立った。また、酸化物半焼結体を始めとする難加工物を精度良く加工するために数値制御加工機を導入して高精度の部品の作成に成功している。来年度以降、レーザー加工機と数値制御加工機を大いに活用して、高性能セルの開発を行う予定である。 加工機導入と並行して、予備的な回折実験を放射光実験施設(SPring-8)にて行った。アルバイト(NaAlSi_3O_8)組成のガラスをメルトのアナログ物質に見立て、室温で22万気圧まで加圧しながら3圧力点でX線回折パターンを測定した。この結果、(1)X線回折実験の難しさはガラスとメルトで同程度であるので(結晶に比べ著しく困難)、メルト状態を安定して保持できれば回折パターンの測定は十分可能であること、(2)アルバイトガラスの構造が1気圧と22万気圧で著しく変化していることなどが明らかになった。ガラスで測定された構造変化は、メルトでも起る可能性が高い。構造変化は物性変化を伴なうので、マグマの性質が地球内部の深さとともに大きく変化している可能性がある。セルの開発を進め、実際のケイ酸塩メルトに対するX線回折実験を成功させたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Oguri: "Post-garnet transition in a natural pyrope : a multi-anvil study based on in situ X-ray diffraction and transmission electron microscopy "Physics of the Earth and Planetary Interiors. 122. 175-186 (2000)
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[Publications] N.Funamori: "Effects of non-hydrostatic stresses on high-pressure and high-temperature X-ray diffraction"Proceedings of ISAM 2001. (in press).