2002 Fiscal Year Annual Research Report
コア-マントル境界条件下における鉄-ケイ酸塩の反応
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12440120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八木 健彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (20126189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 延吉 東京大学, 物性研究所, 助手 (90345231)
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Keywords | コア-マントル境界 / ケイ酸塩 / 溶解鉄 / 高圧実験 |
Research Abstract |
本研究は、地球のコア-マントル境界の実態の解明を目的として、100GPa(100万気圧)領域下におけるケイ酸塩と溶融鉄の反応実験を行い、反応生成物の構造や密度、および元素の分配を明らかにしようとしたものである。この目的のために、下部マントル条件下におけるX線その場観察実験を目的として建設した超高圧高温X線回折実験装置をフルに活用し、鉄とケイ酸塩の反応生成物を高圧下のままX線回折により調べるとともに、回収試料を分析透過電子顕微鏡を用いて観察した。これらの実験を元に、コア-マントル境界で存在すると考えられる鉄酸化物の構造や密度、元素分配等を解明し、最近急激に蓄積されつつある地震波の情報と併せて、地球のコア-マントル境界の実態の解明を行った。 具体的な研究内容としては(1)Fe-O系のメガバール領域におけるX線その場観察、(2)Fe_2O_3の高圧相の構造解析、(3)Fe-MgSiO_3系の超高圧反応、および(4)Fe-FeO率の超高圧反応の研究、を推進した。(1)ではPFのBL13で種々のストイキオメトリーのFe_xOのその場観察を行い、B1相、B8相、Rhombohedral相の安定領域を明らかにした。(2)ではFe_2O_3を65GPaで種々の温度に加熱し、揺動を与えながらX線照射を行い、粒成長した試料からも高品質のX線パターンをとることができた。(3)は単結晶のMgSiO_3表面にスパッタリングによりFe膜を生成し、高圧下で加熱することにより生成した相の解析が、X線実験と電顕観察を併用して行われた。また(4)ではFe箔の表面にFeOを生成させた試料を作り、それを高圧下で加熱することにより、反応層の実態を明らかにした。これらの実験結果にもとずき、溶融鉄とケイ酸塩が接しているコア-マントル境界における物質科学的なさまざまな考察を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Yagi: "Behavior of Earth materials under deep mantle conditions"Proceedings of the International School of Physics "Enrico Fermi" Course CXL VII, R.J.Hemley, G.L.Chiarotti, M.Bernasconi and L.Ulivieds., IOS Press. 643-651 (2002)
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[Publications] T.Yagi: "Experimental overview of large-volume techniques"Proceedings of the International School of Physics "Enrico Fermi" Course CXL VII, R.J.Hemley, G.L.Chiarotti, M.Bernasconi and L.Ulivieds, IOS Press. 41-54 (2002)
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[Publications] T.Mukaide: "High pressure and high temperature phase transformations in LiNbO_3"J.Appl.Phys.. (in press). (2002)
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[Publications] T.Yagi: "Complicated Effects of Aluminum on the Compressibility of Silicate Perovskite"Phys.Earth.Planet. Interious. (in press). (2002)
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[Publications] T.Kondo: "Phase transitions of (Mg, Fe)O at megabar pressure"Phys.Earth, Planet. Interius,. (in press). (2002)
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[Publications] N.Nishiyama: "Phase relation and mineral chemistry in pyrolite to 2200℃ under the lower mantle pressures and implications for dynamics of mantle plumes"J.Geophys.Res.. (in press). (2002)