2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12440130
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小島 正宜 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70023687)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 謙一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (20303597)
徳丸 宗利 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60273207)
|
Keywords | 太陽風 / 太陽活動 / 惑星間空間シンチレーション / 計算機トモグラフィ / 電波観測 / 計算機シミュレーション |
Research Abstract |
近年の観測から、太陽風加速機構の理論が改められようとしている。進行中の研究では、申請者らが開発に成功した、高空間分解能でかつバイアスの少ないデータを得ることができるIPS解析方法(トモグラフィー法)を用いて、高速太陽風、低速太陽風を研究した。主な結果は以下の通りである。 (1)トモグラフィー法に改良を加え、太陽風速度の緯度・経度分布の距離依存をその統計的信頼度の評価と共に導出できる方法を開発し、高速風は0.1-0.3AUの距離で速度を19±17km/s加速していることを見つけた。 (2)高速太陽風は、コロナホールの中心ほど速度が速くなる傾向にあり、その勾配(dV/dθ)には、太陽活動依存性があり、Ulyssesの観測結果ともよく合うことを見つけた。 (3)太陽活動に伴いコロナホールサイズが変化したときの以下の太陽風の諸性質の変化を明らかにした。 ・コロナホールを流源とする高速風の速度は、太陽活動極大期にコロナホールのサイズが大きく縮小しない限り大きく変化しない。 ・太陽活動に伴い、高速風領域と低速風領域の面積比率が変化しても、中間の速度領域はほぼ一定で太陽風は基本的にはbimodal構造である。 ・高緯度を吹く高速太陽風の速度には、南北半球の間で非対称性があり、過去の2太陽サイクルにわたり、北半球の高速風速度が南半球よりも速い。 (4)低速太陽風の起源を、低緯度コロナホールと極域コロナホールについて研究し、以下を明らかにした。 ・低緯度コロナホールからの低速風には、コロナホールを流源とする高速風と類似の性質が幾つかある。 ・低速風流源のコロナホール上空で加熱領域が存在する。 ・太陽活動極大期において極域コロナホールが消滅する頃には、コ口ナホールは低速太陽風源となる。 (5)惑星間空間衝撃波の伝搬速度をいくつかのイベントについて解析したところ、減速傾向にあることを発見した。これは背景太陽風との相互作用の効果であると推測される。 (6)太陽風伝搬MHDコードの開発。IPSの観測値を束縛条件として1AU以遠の太陽風のダイナミクスを推定できるようになった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Kojima et al.: "Tomographic analysis of solar wind structure using interplanetary scintillation"COSPAR Colloquium Series. 12. 55-59 (2002)
-
[Publications] Chasei et al.: "On the correlation between small scale density fluctuations and speed in the solar wind"Advanced Space Research. 30. 411-446 (2002)
-
[Publications] Breen et al.: "Large-scale structure of the solar wind from interplanetary scintillation measurements during the rising phase of cycle 23"Advanced Space Research. 29. 379-388 (2002)
-
[Publications] Ananthakrishnan et al.: "Observation of travelling interplanetary disturbances"Advanced Space Research. 29. 1467-1471 (2002)
-
[Publications] Hakamada et al.: "Solar wind speed and expansion rate of the coronal magnetic field in solar maximum and minimum phases"Solar Physics. 207. 173-185 (2002)
-
[Publications] Hayashi et al.: "MHD tomography using interplanetary scintillation measurement"Journal of Geophysical Research. (in press). (2003)