2000 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙プラズマの運動論効果を考慮した波動観測アンテナ特性の研究
Project/Area Number |
12440131
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
臼井 英之 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (10243081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 浩嗣 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (10215254)
大村 善治 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (50177002)
松本 紘 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (00026139)
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Keywords | 計算機実験 / 宇宙プラズマ / アンテナ特性 / 電磁粒子シミュレーション / アンテナインピーダンス / プラズマシース / サブグリッド法 / プラズマ波動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、磁気圏プラズマ中における波動観測用アンテナの特性をアンテナ周辺のシース効果、光電子、デバイ遮蔽などのプラズマ運動論効果を考慮した3次元電磁粒子計算機シミュレーションにより定量的に評価し、観測波動の正確な電界強度と位相の算出に役立てることである。 研究方法としては、これまで一様プラズマ中の波動解析に用いられてきた3次元電磁粒子シミュレーションコードKEMPOに改良を加え、宇宙プラズマ空間に置かれたシャトルやステーションなどの非プラズマ物体と周辺プラズマとの相互作用についてもプラズマの運動論的な振る舞いを無視せず解くことができるにした。 この改良KEMPOコードを用いて、平成12年度は(1)アンテナ長とデバイ長との関係、および(2)アンテナ周辺プラズマシースの影響、についての計算機実験を着手した。(1)に関してはプラズマの密度、温度を磁気圏各領域に合わせて計算機シミュレーションを行うことにより、アンテナインピーダンス評価を行う。特にデバイ長がアンテナ長オーダーの場合に着目し、アンテナインピーダンスが真空モデルの場合とどのように違うかを定量的に評価をおこなった。(2)に関しては、まずアンテナ周辺におけるプラズマシース構造及びアンテナ近傍の電磁界をより精密に解くために、サブグリッド手法の導入をテスト的に行った。サブグリッドとはシミュレーションモデル内のある部分を空間的に主グリッドより細かいグリッドで再現する数値手法であり、これをアンテナ近傍に採用することにより微細なプラズマシース形成、電界分布が実現できる。しかし、多次元モデルの場合、数値的な誤差により安定した計算機実験が行えないことが判明し、現在この原因について調査中である。また、シース内を伝搬するシース波動に関する計算機実験を行い、一様プラズマ中では存在しない低周波の電磁波の伝搬を確認し、その伝搬特性についても解析を行った。今後、このシース波動がアンテナ特性にどのような影響を与えるかについて着目していきたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Usui,H.,C.K.Birdsall,and J.Verboncoeur: "Development of 1D Object-Oriented Particle-in-Cell Code (1d-XOOPIC)"IEICE Transactions (Electronics). E83-C,6. 989-992 (2000)
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[Publications] Usui,H.,F.Yamashita,and H.Matsumoto: "Computer Experiments on the Measurement of Reentry Plasma with Radio Waves"Advances in Space Research. 24,. 1069-1072, (1999)
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[Publications] Usui,H.,H.Matsumoto,and R.Gendrin: "Numerical simulations of a three-wave coupling occurring in the ionospheric plasma"Proceedings of ISAP2000. Vol.2. 811-814 (2000)
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[Publications] Usui,H.,H.Matsumoto,and F.Yamashita: "Antenna analysis in magnetized plasma via particle-In-Cell simulations"Proceedings of ISAP2000. Vol.3. 1327-1330 (2000)