2000 Fiscal Year Annual Research Report
マグマ-熱水系における揮発性成分の挙動と鉱床の生成機構
Project/Area Number |
12440143
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 謙一郎 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40124614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛川 武 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60250669)
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Keywords | 熱水 / 沸騰 / 流体包有物 / 熱水実験 / 硫黄同位体 |
Research Abstract |
熱水の沸騰に伴う気相と液相の分離時に、熱水中に溶存していた重金属が気液両相中にどのように再分配されるかを求めるために、人工流体包有物を用いる新しい実験手法を確立した。あらかじめ急冷法によりクラックを入れた天然石英とNaCl溶液を金チューブに封入し、高温熱水反応装置を用いて400-600℃で10日間程度加熱することにより流体包有物を合成した。加熱時の圧力をNaCl溶液の温度-圧力-組成図上で気液共存領域から液相の領域の間でコントロールすることにより、気相包有物と液体包有物が共存する場合と液体包有物のみが合成される状況を再現できることを確認した。これらの流体包有物の均質化温度の測定結果は合成温度と一致し、気相および液相が共存する状態で包有物の合成が進行したことが分かる。このことにより、合成実験の手法は確立できたと考えている。合成した流体包有物中の溶液の組成をレーザーICP法により分析するために、組成の分かった溶液をガラスキャピラリーチューブに封入し、その組成を分析する予備実験を開始した。 宮城-秋田県境に発達する、鳴子、鬼首、秋ノ宮地熱地帯の地質調査と岩石および地表熱水のサンプリングを行った。熱水のpH、各種硫黄種濃度、硫黄同位体比の測定の結果、それぞれの地域内で硫黄を含む物質循環の様式が異なることが予想される。鳴子では比較的地表に近い部分での小規模な循環系であるのに対し、鬼首、秋ノ宮では硫黄は帯水層中に長期間留まっており同位体的および酸化還元状態でより平衡に近い。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hayashi,K.,Maruyama,T.and Satoh,H.: "Submillimeter scale variation of oxygen isotope of vein quartz at the Hishikari deposit, Japan."Resource Geology. 50・3. 141-150 (2000)
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[Publications] Hayashi,K.,Maruyama,T.and Satoh,H.: "Precipitation of gold in a low-sulfidation epithermal gold deposit : Insight from a Submillimeter-scale oxygen isotope analysis of vein quartz."Economic Geology. 96・1(in press). (2001)
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[Publications] Hayashi,K.and Nagaseki,H.: "Volatility of metals in boiling high temperature hydrothermal solutions."Proceeding of Joint ISHR & ICSTR. (in press). (2001)