2001 Fiscal Year Annual Research Report
岩石の高圧高温下における弾性波速度と岩石学的地殻断面モデル
Project/Area Number |
12440147
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
有馬 眞 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (10184293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 正弘 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (70232270)
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Keywords | 弾性波速度測定 / 島孤地殻断面 / 高温高圧実験 / ピストンシリンダー装置 / 地震波速度異方性 / 伊豆弧 / コヒスタン島弧 / 幌満カンラン岩体 |
Research Abstract |
本研究は。地震波速度構造から大陸や島弧地殻の岩石学的・化学的構造を明かにするために、下部-中部地殻を構成している岩石の高温・高圧下におけるP波・S波速度の測定し、岩石学的モデルを目的とする。 本年度の研究実績は、 1。常温-400℃,常圧-1.0GPaまでの範囲において島弧中部・下部地殻構成岩石の弾性波速度測定を行った。測定試料は、以下の岩石類である。丹沢山地産の深成岩類(トーナル岩・石英閃緑岩・閃緑岩・ハンレイ岩など)、秋田県一の目潟に産出する捕獲岩(角閃石ハンレイ岩および角閃岩)、高島産捕獲岩(ガブロノーライト・パイロキシナイト)、パキスタン北部に産する中生代コヒスタン島弧下部地殻構成岩石(ガブロノーライト、ザクロ石-単斜輝石グラニュライト、ザクロ石パイロキシナイト、幌満カンラン岩体(ダナイト)。 2。口径34mmのピストンシリンダー高圧・高温発生装置を用いて、最大1GPaの高圧下における弾性波速度の測定を大容量の試料(直径14mm、長さ12mmの円筒状試料)について約1000℃までの温度領域で長時間安定して測定可能な実験システムを確立した。さらに、部分融解を実験的にプレス内で再現し、地震波速度に与える影響を検討するために1200℃までの高温領域で測定可能な実験システムを開発中である。また、直交する三方向の弾性波速度を同時に測定できる技術を開発し、幌満カンランや南極の変成石類の地震波速度異方性について検討した。 3。以上の実験結果から、伊豆弧および東北・西南日本を代表すると思われる下部-中部地殻物質の地震波速度および弾性定数の岩石組織・化学組成依存性が明らかになり、地震波速度構造から大陸や島弧地殻の構成岩石や化学組成を深さごとに詳細に推定した。伊豆-ボニン-マリアナ弧の岩石学的構造がさらに正確に推定された。また、東北本州弧の岩石学的地殻断面モデルを検討した。
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[Publications] M.Arima, K.Tani, S.Kawate, S.S.T.Johnston: "Geochemical and tectonic evolution of the Tugela terrane, Natal belt, South Africa."Memoir of National Institute of Polar Research Special lssue. 55. 1-39 (2001)
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[Publications] E.SHINGAI, M.ISHIKAWA, M.ARIMA: "P-wave velocity in ultrahigh temperature granulites from Archean Napier Complex, East Antarctica."Polar Geosciences. 14. 165-179 (2001)
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[Publications] K.KITAMURA, M.ISHIKAWA, M.ARIMA, K.SHIRAISHI: "Laboratory measurements of P-wave velocity of granulites from Luzow-Holm Complex, East Antarctica : Preliminary report"Polar Geosciences. 14. 180-194 (2001)
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[Publications] 石川正弘, 新開英介, 有馬眞: "南極大陸地殻物質の高圧地震波速度測定実験"月刊地球号外. 35. 1-7 (2001)
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[Publications] Pati, J., Arima, Gupta, A.K: "Experimental study of the Diopside-Albite-Nepherine join under28, 10 and 20 kbar (in presence of excess water) and its significance"Canadian Mineralogist. 38. 1177-1191 (2000)
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[Publications] SINGH.P, ARIMA.M, GUPTA, A.K: "Phase Equilibrium Constraints on the Petrogenesis of Nephelinites with reference to the system diopside-nepheline under variable P T conditions in the presence or absence of water"Journal of Mineralogical and Petrological Sciences. 95. 113-124 (2000)