2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12440156
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
楠 勲 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30025390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 毅 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90261479)
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Keywords | 表面反応 / 赤外分光 / 超音速分子線 / ニッケル / 運動エネルギー / 一酸化炭素 / 水素 / キセノン |
Research Abstract |
固体表面における気体分子の化学反応は、触媒化学、半導体デバイス作成など、実用面で非常に重要である。この表面反応に、気体分子の運動状態(並進、振動エネルギー、運動量、入射角度、入射方位)がどのように影響するのかを明らかにし、さらに気体分子の運動状態を制御することによって、表面反応を操る技術の開発を試みることが研究の目的である。平成13年度は、以下に示すように、表面吸着種の反応に対する気体分子運動エネルギーの効果を調べることが出来た。 本研究では、運動状態を制御した気体分子の衝突によって、表面反応を操る技術の開発を試みた。気体分子運動状態を制御するために超音速分子線作成装置、表面反応を追跡するために高感度反射吸収赤外分光(FTIR)装置を使用した。表面からの脱離生成物は、質量分析計を用いた。実験は水素(H)、およびCOを吸着させたNi(100)表面(CO/H/Ni(100))に、運動エネルギーを制御したXe原子を照射することによって行った。Xe運動エネルギーが0.5eVの場合、CO/H/Ni(100)表面に変化は無かった。ところがXe運動エネルギーが約1.0eVになると、COが脱離すると同時に吸着状態を変化させることがわかった。これは、照射したXe原子がCOを表面からたたき出すと同時に、表面構造が変化しCOの吸着位置が変化したためである、と解釈された。衝突する期待分子の運動状態を制御することによって、表面反応の最も単純な素反応である脱離反応、および、表面構造変化を制御することが出来た。本研究の成果を元に今後は、さらに複雑な合成反応を制御する方法の開発へと展開して行きたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] I.Kusunoki: "XPS study of nitridation of diamond and graphite with a nitrogen ion beam"Surface Science. 492. 315-328 (2001)
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[Publications] I.Kusunoki: "AFM and XPS studies of a homoexpitaxial diamond(001) surface nitrided using 500 eVN_2^+ion beam"Diamond and Related Materials. 10. 1676-1680 (2001)