2002 Fiscal Year Annual Research Report
過冷却水の二種類のポテンシャル面とパーコレーション転移
Project/Area Number |
12440166
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 秀樹 岡山大学, 理学部, 教授 (80197459)
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Keywords | 水 / アモルファス / 液液相転移 / ナノチューブ / シミュレーション |
Research Abstract |
ポテンシャル面の幾何学的特徴とstrong-fragile転移の関係を調べ、液液相転移における水素結合ネットワークのある種のパーコレーションとして理解することを目的とした。そのために今回は圧力印加による氷からアモルファス氷への転移について、水素結合ネットワークの圧力依存性や可逆性について詳細に検討した。 水2層分の距離だけ隔てられた疎水性壁の中における、水の相挙動を計算機シミュレーションにより調べた。壁に平行な面密度を固定すると、2層からなる準二次元結晶が生成することを、我々は既に発見している。今回は壁間の距離を固定し、壁に平行な方向の応力を固定した。その結果、このような状態の水は、一次の相転移を経て、別の無定形相に転移することが示された。また、この無定形相は、拡散係数はほぼ0であることから、ガラス状態と考えられ、一次相転移とガラス転移が同時に起きている極めて稀な例であることを発見した。また、カーボンナノチューブ中での水の相挙動を調べた。ここで予想される固相は、ナノチューブの大きさに応じて4-8員環が積み重なったシリンダー状の結晶である。ランダムな分子配置から開始した分子動力学シミュレーションの結果、ある直径以下では液体から固体への転移は連続的であること、中間的な直径では1次の相転移を経ること、大きな直径では容易には結晶化しないことが示された。また、圧力の変化に対して、結晶でも例えば5員環から6員環に転移を起こすこと、さらにこれらの結晶の相境界は通常とは全く異なり、臨界点で消失することが示唆された。以上の結果は、軸方向と動径方向の秩序パラメータの相転移の場合の急激な変化により確認されるとともに、独立に行われた自由エネルギー計算によっても補強された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.Bai: "Ab initio studies of quasi-one-dimensional pentagonal and hexagonal ice nanotubes"J.Chem.Phys.. 118. 3913-3916 (2003)
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[Publications] Jan Slovak: "Computer Simulation and Thermodynamics of Bilayer Ice"Physica A. 319. 163-174 (2003)
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[Publications] Kenichiro Koga: "How does water freeze inside carbon nanotubes?"Physica A. 314. 462-469 (2002)
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[Publications] Hideki Tanaka: "Pressure-induced amorphization of clathrate hydrates"Mol.Phys.. 100. 2183-2188 (2002)
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[Publications] Hideki Tanaka: "On the Debye-Waller Factor of Hexagonal Ice : A Computer Simulation Study"J.Am.Chem.Soc.. 124. 8085-8089 (2002)