2001 Fiscal Year Annual Research Report
環状オリゴスルフィド類の酸化およびその酸化物の構造と分解反応
Project/Area Number |
12440174
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
石井 昭彦 埼玉大学, 理学部, 助教授 (90193242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 儀昭 埼玉大学, 理学部, 助教授 (00272279)
中山 重蔵 埼玉大学, 理学部, 教授 (90092022)
|
Keywords | ペンタチアン / 酸化 / X線結晶構造解析 / 1,2,4-トリチオラン / 1,2-ジオキシド / 白金錯体 / ジチイランオキシド / テトラチオラン |
Research Abstract |
1. 6-t-ブチル-6-フェニルペンタチアンの酸化物の構造解析 6-t-ブチル-6-フェニルペンタチアン(1)の考え得るすべての一酸化物についてGaussian98を用いて構造最適化およびNMR計算を行い,実際に得られる1-オキシド(2)と3-オキシド(3)の構造やNMRデータを比較検討した。その結果,計算結果は実験値を良く再現する事がわかった。 2. 3,3-ジ-t-ブチル-5,5-ジフェニル-1,2,4-トリチオラン(4)の酸化反応 まず,トリチオラン4のシス体について酸化反応を詳細に検討した。当モル量の酸化剤を用いた場合,立体異性体の関係にある2種類の1-オキシドが生成した。興味深いことに,これら1-オキシドをさらに酸化すると,一方からは1,2-ジオキシドが得られ,もう一方からは,1,1-ジオキシドが得られた。これらの酸化物はX線結晶構造解析やNMRにより構造決定した。 得られた酸化物の熱分解反応では,2種類の1-オキシドからはともにtrans-1,2-ジ-t-ブチル-1,2-ジフェニルチイランが,1,2-ジオキシドからはt-ブチル=フェニル=チオケトンが高収率で生成した。 4のトランス体についても検討したところ,同様に2種類の1-オキシドと1,2-ジオキシドが生成することがわかった。 3. 環状硫黄化合物の酸化物と白金(0)錯体の反応 ジチイラン1-オキシド(5),テトラチオラン1-オキシド(6)および1,2-ジオキシド(7),ペンタチアン1-オキシド(2)および3-オキシド(3)と(Ph_3P)_2Pt(C_2H_4)の反応を検討した。5からは対応するスルフェナート=チオラートPt錯体(8),6からはジチオラートPt錯体とPt(S_2O)錯体(9),7からは8と9,2からはPtS_4錯体,3からは[t-Bu(Ph)CS_3]Pt(Ph_3P)_2が生成することがわかった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Akihiko Ishii, Hideaki Oshida, Juzo Nakayama: "Structure Elucidation of 6-t-Butyl-6-phenylpentathiane Monoxides by X-ray Crystallography and DFT Calculations"Bull.Chem.Soc.Jpn.. Vol.75No.2. 319-328 (2002)
-
[Publications] Akihiko Ishii, Masashi Saito, Masami Murata, Juzo Nakayama: "Reaction between Dithiirane 1-Oxides and a Plutinum(0)Complex"Eur.J.Org.Chem.. issue 6. 979-982 (2002)
-
[Publications] Akihiko Ishii, Ken Furusawa, Takenori Omata, Juzo Nakayama: "Reactions of Sterically Conjested 1,6- and 1,7-Bis(diazo)alkanes with Elemental Sulfur and Selenium"Heteroatom Chem.. (印刷中).