2001 Fiscal Year Annual Research Report
有機亜鉛化合物のエノン類への触媒的1,4付加反応の開拓とその応用
Project/Area Number |
12440205
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北村 雅人 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授 (50169885)
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Keywords | 有機亜鉛化合物 / α,β-不飽和ケトン類 / 銅-スルホンアミド混合系触媒 / 触媒的1,4付加反応 / 二官能性触媒 / 三成分連結法 / 速度論実験 |
Research Abstract |
有機金属反応剤のα,β-不飽和カルボニル化合物への1,4付加反応は有機合成における最も基本的かつ重要な炭素-炭素結合形成法の一つである。本研究では、1,4付加・エノラート捕捉の三成分連結を効率化することができ、しかも基質および反応剤の一般性の高い、触媒的1,4付加反応の開発を目指した。まず、基質と反応剤の反応点の近接化と遷移状態構成原子の電荷交代が反応性獲得に重要であるとの考えのもとに酸化・還元電位の大きく異なる二種類の金属原子間に修飾剤の三原子を介在した二官能性触媒を想定した。基質と反応剤が同時に活性化される特徴をもつ。さらに、生成物阻害の抑制が循環性獲得に必要と考え、自己会合安定化するエノラートの生成を考慮し、銅化合物存在下でのジアルキル亜鉛のα,β-不飽和ケトン類への1,4付加を反応系に設定した。三原子介在修飾剤を系統的に探索した結果、銅-スルホンアミド混合系触媒が従来類例を見ない高1,4付加活性を示すことを見い出した。わずか1万分の1量の触媒を用いるだけでほぼ定量的に反応が進行する。一般性も高い。触媒反応であるが故に生成するアルキル亜鉛エノラートはほぼ純粋であり、種々の炭素求電子剤によって補足することができる。さらに、有機合成的有用性の確立だけでなく、触媒活性獲得のための上記作業仮説の正統性を確認すべく、速度論実験、速度式解析、速度論同位体効果測定を中心に核磁気共鳴分光実験や分子量測定実験を実施した。律速段階、触媒活性種、生成エノラートの会合状態を含めて触媒サイクルの全貌を明らかにした。分子触媒開発のための一つの指導的原理を提供することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M. Kitamura: "1,4-Addition of Diorganozincs to α,β-Unsaturated Ketones Catalyzed by a Copper(I)-Sulfonamide Combined System"Bull. Chem. Soc. Jpn.. 73. 999-1014 (2000)
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[Publications] R. Noyori: "Self and Nonself Recognition of Chiral Catalysts: The Origin of Nonlinear Effects in the Amino-Alcohol Catalyzed Asymmetric Addition of Diorganozincs to Aldehydes"Chem. Rec.. 1. 85-100 (2001)
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[Publications] M. Kitamura: "Stereochemistry of Aldols: Configuration and Conformation of Aldols Derived from Cycloalkanones and Aldehydes"J. Am. Chem. Soc.. 123. 8939-8950 (2001)
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[Publications] M. Kitamura: "Mechanism of Asymmetric Hydrogenation of α-(Acylamino)acrylic Esters Catalyzed by BINAP-Ruthenium(II)Diacetate"J. Am. Chem. Soc.. (in press).