2000 Fiscal Year Annual Research Report
カラム充填剤の電場応答性を利用したプログラム可能な電気クロマトグラフィーの開発
Project/Area Number |
12440209
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
津田 孝雄 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50023156)
|
Keywords | 電気クロマトグラフィー / 交流電場 / カラム電気抵抗 / 保持比の変化 / オープンチューブカラム / 周波数特性解析 |
Research Abstract |
キャピラリー電気クロマトグラフィーにおけるカラム充填剤の電場応答性を分析へ応用するために、固定相の電場応答性について検討を行った。電圧印加によって誘起される現象として、試料―固定相間の相互作用の大きさの変化、固定相の電気伝導度の変化を直流・交流電場を用いて調べた。また、キャピラリー電気クロマトグラフィー用のオープンチューブキャピラリーカラムの開発を行った。 電圧印加に伴う保持比の変化:カラムへの直流電場印加に伴う試料の固定相に対する保持が変化を、電気的に中性である試料を用いて測定を行った。混合固定相充填剤(ODS-SCX及びODS-SAX)を用いた際には、ウラシル、カフェインなど4種の中性試料の保持比が直流電場によって変化し、またその変化は電位勾配の方向を認識することが確認された。また、陰イオン交換充填剤を充填したカラムに交流電場を印加すると、交流電場によっても試料―固定相間の保持比が変化し、さらに約300Hzの交流電場を印加した際に特異的な変化が引き起こされることが見出された。 電圧印加に伴う固定相電気伝導度の変化:直流電場印加によって誘起されるカラム電気伝導度の変化を周波数特性解析装置を用いて検討を行った。陽イオン交換樹脂を充填したミニカラムに、種々のイオンを試料として供給しその複素インピーダンスを解析したところ、マグネシウムを試料としたときに特異的なパターンが得られることを見出した。 オープンチューブキャピラリーカラムの作成:充填キャピラリーカラムでは系内が複雑であるため現象の確認を行うことが比較的難しいため、系内が比較的単純であるオープンチューブキャピラリーカラムを作成し、その基本性能を確認したところ、表面積の大きな試料付加量の大きなカラムであることが確認された。 以上のテーマに関して研究を行い、提案した研究テーマの実現を試みた。
|
-
[Publications] Chaiyasut,C.: "Electric Resistance Variation of Packing Materials in Capillary Electrochromatography by Using Fluorinated-Bonded Silica and Octadecylsilane Phases"Anal.Sci.. 16. 413-416 (2000)
-
[Publications] Kitagawa,S.: "Pulsed voltage induced injection for capillary liquid chromatography"J.Microcol.Sep.. 12. 285-291 (2000)
-
[Publications] Sakaki,T.: "Miniaturization of Capillary Electrochromatography using an Ultra Short Capillary Column"Electrophoresis. 21. 3088-3092 (2000)
-
[Publications] Chaiyasut,C.: "Estimation of the dissociation constants for functional groups on modified and unmodified silica supports from the relationship between electroosmotic flow velocity"Electrophoresis. 22(in printing). (2001)
-
[Publications] 北川慎也: "キャピラリー電気クロマトグラフィー"ケミカル・エルジニアリング. 1. 73-78 (2000)