2000 Fiscal Year Annual Research Report
植物特異的遺伝子群による葉形態制御の分子メカニズム
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12440214
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
塚谷 裕一 岡崎国立共同研究機構, 総合バイオサイエンスセンター, 助教授 (90260512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 ぎよん泰 岡崎国立共同研究機構, 総合バイオサイエンスセンター, 助手 (00321844)
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Keywords | 葉形態 / 分子遺伝学 / 遺伝子 / シロイヌナズナ / 細胞伸長 |
Research Abstract |
今年度は、まず植物特異的なP450サブファミリーの一員であるROT3類似遺伝子群について、以下の解析を行った。 (1)植物に特異的な、ROT3類似遺伝子のシロイヌナズナからの同定と、その順方向及び逆方向の発現体の作出。この結果、アンチセンス鎖が表現型を示すのは、rot3-1変異体のバックグラウンド下に限ることが確認された。 (2)rot3変異体については、各種ステロイド分子の投与実験を行った結果、ブラシノステロイド合成系の過程の一部に、ROT3遺伝子が関与している可能性が強く示唆された。また酵母菌内での代謝能実験でも、同様のデータが得られた。 また、ANの場合は以下の各解析を行った。 (1)GFP融合タンパクによる使った、シロイヌナズナでの細胞内局在の同定。 (2)酵母菌を使ったtwo-hybridの解析から、ある種の遺伝子産物が、酵母菌内でANタンパク質と相互作用することが判明した。またマイクロアレイによる解析から、ANの下流で働くと推定される遺伝子候補を同定し、その発現パターンを解析した結果、いくつかの遺伝子が実際に、an変異体において発現量が大きく異なっていることが確認された。 (3)AN遺伝子の、他種植物からのホモログの単離による、植物界における特異性の実体の解明には、他研究グループとの共同研究により、アサガオおよびゼニゴケからのホモログの単離に成功した。またその塩基配列情報を元に、系統樹を作成したところ、植物のAN遺伝子ファミリーは、動物の類似遺伝子ファミリーとは別の、独自のものであることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kuwahara,A.,Tsukaya,H.,and Nagata,T.: "Heterophylly in Ludwigia arcuata (Onagraceae) ; the role of ethylene an changing leaf morphology."Plant Biology. (in press). (2001)
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[Publications] Semiarts,E.,Ueno,Y.,Tsukega,H.,Iwakawa,H.,Machida,C.& Machida.Y.: "The ASYMMETRIC LEAVES2 gene of Arabidopsis theliana regulates establishment of the midvein as the axis of leaf symmetry and repression of menisten related homeofox genes in the leaf"Development. (in press). (2001)
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[Publications] Tsukaya.H.,Shoda,K.,Kim,G.-T,and Uclvimiya,H.: "Heteroplasty in Arabidopsis theliana (L.) Heyvh."Planta. 210. 536-542 (2000)
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[Publications] Tsukaya,H.: "The role of menistematic activities in the formation of leaf blades."J.Plant Res.. 113. 119-126 (2000)
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[Publications] 塚谷裕一,町田千代子: "新版・植物の形を決める分子機構(岡田清孝,町田泰則,松岡信 編)"秀潤社.. 103-116 (2000)
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[Publications] 塚谷裕一: "多様性の植物・3・植物の種-分化と進化(加藤雅啓 編)"東京大学出版会. 25-52 (2000)